スポーツの価値と意義 人をつなぎ、喜び生む
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 県内の新春のスポーツと言えば全日本実業団対抗駅伝競走大会です。私は選手を応援するため、初めて第4中継所の太田市役所に出かけました。昨年までのTV観戦では感じることができなかった緊張感や爽快感、スポーツへの関心の高さを肌で感じ、貴重な体験ができました。

 アトラクションの和太鼓の音色が市役所の敷地内に鳴り響き、ご当地グルメの「太田焼きそば」や「牛乳」の店舗が出店されていました。どのブースも大勢の人が詰め掛け、選手が到着するのを待つあいだ、大人も子どもも楽しんでいる様子が印象的でした。

 中継所は、選手の到着時刻が迫るにつれてしだいに緊張感が漂い、襷(たすき)がつながれた瞬間、全ての人たちの視線が一点に集まり、大きな声援へと変わりました。

 伊勢崎中継所から22.4キロを走り終え、限界に達する選手たち。繰り上げとなったチームもあり、スポーツの厳しさを痛感するとともに、必死に襷をつなぐ選手の姿に感動しました。

 沿道で声援を送る駅伝ファンからは、勝敗を超えて全ての選手を応援したいという、フェアな気持ちが伝わりうれしくなりました。とりわけ子どもたちにとって、トップレベルの選手を間近で応援できたことは、将来必ずプラスになると思います。

 当日は太田市内関係だけで、約600人の役員の方が裏方として活躍されたと伺っています。

 決して表に出る存在ではありませんが、選手が練習の成果を発揮でき、沿道の声援が選手に届くことを願い、さまざまな状況を想定して準備を重ねてきたかと思います。手際よいスムーズな運営とその真摯(しんし)な姿勢には感謝の言葉以外は見つかりませんでした。

 今回の体験を通じ、改めてなぜ人々のスポーツへの関心は高く、身近に親しまれているのかを考える機会となりした。

 一つは、選手のスポーツに取り組むひたむきな姿勢が、「見る人」全てに楽しさ、喜びを与えてくれ、人と人を結びつけ、笑顔にできるということです。

 もう一つは、公正さ、礼儀正しさ、潔さなどの人間が生きていく上で総合的人格として尊重する、スポーツマンシップとフェアプレーの精神が、大会を通じて「選手」「観戦者」「大会役員」といった全ての人々からうかがえたことです。

 ひたむきな姿勢やスポーツマンシップとフェアプレーの精神は、スポーツの存在価値と意義を確定するものとして、重要な要素であると考えます。

 今後スポーツに携わる全ての人たちが、これらを意識し、発信し続けることが大切ではないでしょうか。そうすればスポーツ界にとどまらず、日常生活や社会生活全般に好い影響を及ぼすはずです。



おおたスポーツアカデミー校長 吉井均 太田市新道町

 【略歴】館林高等特別支援学校長や県高校野球連盟会長などを務め、2018年4月から現職。教諭時(保健体育)はバレーボール部を指導。早稲田大教育学部卒。

2019/02/05掲載

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事