好きな人も嫌いな人も 地域猫活動を広げたい
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 日が暮れかかり薄暗くなった中、押し問答となり激しく言い争ったことを鮮明に覚えています。私たち仲間が出会ったT公園での出来事です。いつもの時間にそこに行くといつもの面々がそろい、公園のはじからおしゃべりしながらいつもの猫たちに声をかけ、ご飯をあげていました。

 すると突然大声で「おいっ!」と呼び止める男性の声。振り返ると「そうやって餌やっているから猫が増えていくんだよ!くれるな!」と怒鳴りだしました。

 「野良猫だって生きているのですよ。ご飯食べなくちゃかわいそうです」と私たち。男性は「これだから増えていくんだ」と。

 私が「増やそうなんて思ってないです。慣れたら不妊手術をしてあげて、この猫たちは一生ここで生きていけばいいんじゃないんですか?」と言うと、男性は頭から湯気を出しそうな勢いで「俺は町長と友達なんだっ!」と。

 「じゃあ、毎年この公園にたくさんの猫が捨てられること、町長に話してください。私たちだって少ない方がいいんですから」と話してみました。すると男性は「警察呼ぶぞ!」と。

 かなりヒートアップしていたようです。今思うと、このことこそが、地域猫活動の原点だったのかもしれません。

 どこの公園でも大なり小なり、この手の争いは勃発しています。餌をあげている愛猫派対猫嫌い派。愛猫派の言い分は「生きているのだから餌あげないとかわいそう」。猫嫌い派は「餌くれて野良猫が増えてあちこちオシッコかけたり、ふんしたり、汚くてしょうがない」。それぞれの言い分は確かにそうです。お互いの考え方はずっと平行線のまま…。

 問題の解決策として、2017年から群馬県が推奨している「飼い猫の適正飼養および飼い主のいない猫対策ガイドライン」にとてもよい方法が盛り込まれています。それが「地域猫活動」です。地域の人たちで飼い主のいない猫たちに地域の獣医師の協力を得て不妊手術を施し、餌やりや猫トイレの管理を続け、見守っていく活動です。

 時間はかかりますが、確実に頭数は減っていき、ごみ場が荒らされる、道で子猫が車にひかれる、雄猫のマーキングで悪臭がするなどの諸問題も減っていくはずです。愛護団体も協力し、この2年間で県内のあちこち、地域猫活動が始まっています。

 飼育しきれない頭数のペットを捨てるのは人間です。命を捨てるなんて…。あなたの心は痛みませんか? 飼い主のいない命たちも生きているのです。汚いと追い払うだけでは何の解決にもなりません。人と動物の共生共存へ。地域の猫としてみんなが彼らを管理し、見守って一代限りの「にゃん生」を見届ける地域猫活動のさらなる浸透に皆さん、ぜひご協力ください。



アニマルフレンド代表 霜村博子 太田市東長岡町

 【略歴】主婦業の傍ら、2013年に有志団体のアニマルフレンドを立ち上げ。東毛地域の7人で里親探しや「地域猫」の支援に取り組む。16年から現職。関東短大卒。

2019/03/15掲載

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