接客業との向き合い方 幸せの循環生むために
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 「来て良かった」の気持ちを育むこと。私が今、一番大切にしていることです。

 サービス業にはプラスをつなげていく役割があります。マイナスなことは断ち切って良い方へ変えていく、重要なポイントを担っています。

 それは、対価を支払っているからこそ、当たり前のように良い対応をしてもらえると考える原理からなります。その期待から外れてしまうと、マイナスになり、不満として人の心に残ります。そうならないよう、私たちは心を込めて接客をしています。

 汗水垂らして働いて稼いだお金と、作った時間を費やしてサービスを受けるのですから、それに見合った対応を望むのは当たり前のことです。来て良かったと感じてもらえるように努めることこそ、この業界の全てだと考えます。

 私自身も、お金を払ったら少しでもおいしいものを食べたいし、最後まで気持ちよく過ごしたいと思います。そのためには、そこでサービスを提供する人の思いやりが必要です。笑顔で、快く、元気なことが理想です。

 最近は接客を受けるシーンで笑顔を見なくなったと思いませんか? 皆さん真顔。たまに笑顔をくださる方に会えると、うれしくて胸がキュンとなります。笑顔一つで、その後の気持ちも変わります。職業病かもしれませんが、そういうところに敏感に反応してしまう私です。自分は接客もするし、される側でもあるからです。

 特に大きな施設のチケットカウンターの方なんて、長時間の接客で疲れ果てて不機嫌な方が多い気がします。購入したいのに申し訳ない気持ちになってしまうので、元気を出してほしいです。

 そういう時、サービスをする側と受ける側が逆の立場になってしまっています。提供側が「してあげる」という感覚になっているのです。本来は購入していただくことに感謝しなければ、先に話した原理から外れてしまうのに。そのため、お互いが嫌な気持ちになって悪循環になります。

 もちろん、される側の思いやりも大切です。横暴な態度をとれば、いずれ自分に返ってきます。態度の悪いお客さまはぐるぐると悪循環から抜け出せずにいるのです。

 ストレス社会ですから、気に食わないことも、不快なこともたくさんあるでしょう。

 ただ、サービスを生業とする私たちからプラスを発信すれば、そのつながりだけは、いつも前向きなものになるはずです。だって、お客さまが支払うというマイナスから始まる代わりに、私たちは接客という仕事をすることによって、お給料をもらえるプラスからスタートするのですから。世界はサービス業であふれています。幸せが巡っていくように、今日行くお店の店員さんに、どうか優しくしてあげてください。きっと来て良かったと思えるはずです。



手作り体験工房「クラインフォーレ」運営 鳥山博美 渋川市赤城町見立  

 【略歴】キャンドルアーティスト。高校卒業後就職。20代後半にテーマパークで体験教室講師。独立して2018年春、伊香保温泉に体験工房を構える。渋川市出身。

2019/04/14掲載

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