大学生アスリートへ 「なぜ」を考え切り開け
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 新年度に入り、川村学園女子大でも新入生を迎えました。今年はキャンパスの桜並木の満開と重なり、より華やいで見えます。

 私が指導する陸上競技部も4人の新入部員を迎え、グラウンドもにわかに活気づいています。

 本学の学生はもとより、進学してもスポーツを続ける大学生へ伝えたいことを書きたいと思います。

 スポーツの本質はその活動自体を「楽しむ」ものです。私はよりスポーツを楽しむためにいろいろなものに興味をもち「なぜ?」の頭でスポーツに接してほしいと思っています。

 スポーツを始めたばかりの段階では、言われた通りにやってみたり、まねをしたりすることもとても重要です。この段階では、記録や結果が出ることで、スポーツの楽しさや喜びも経験します。また、体力や技術を獲得する反復練習では「気づき」や「ひらめき」が生まれることもあると思います。

 しかし、大学生くらいになると身体の成長はほぼ止まり、それまでと同じ練習ではうまく結果につながらなくなる場合があります。1人暮らしなどを始めれば生活環境も変わりますから、なおさらです。

 110メートル障害の選手だった私は大学の1~2年生で伸び悩みました。この時期、高校時代と同じ練習や先輩の言われる練習をそのまましていました。

 そんな中、大学で運動力学や生理学の授業を受けました。その授業が「なぜこの練習をするのか?」を考えることになるきっかけとなったのです。漫然と練習をしていた自分に気がつくことにもなりました。

 「なぜ?」で考えるためには、考えを整理するヒント(=知識)が必要になります。

 知識は前記した大学の授業のような、直接的なものだけとは限りません。本学のように文系大学の授業にも競技力向上につながる、考えるヒントはいろいろあると思います。

 もしかすると、読んでいる漫画や、スマホゲームの中にも、ヒントはあるかもしれません。

 こうして「考え」、目的を明確にし、練習を計画することは私の楽しみとなりました。その内容で結果が出ると、それまでにはない喜びを感じることもできました。この一連のサイクルはスポーツの一番面白いところだとも思っています。

 引退後、「なぜ?」で考えるプロセスは仕事をするうえでもとても役立ち、私の財産になりました。

 大学生には自分で主体的に「なぜ?」を持ち、「調べ」「考え」「行動」することで、スポーツをより一層楽しんでほしいと思います。



川村学園女子大陸上部監督 岩崎利彦 高崎市九蔵町

 【略歴】陸上男子110メートル障害で日本人初の13秒台を記録。バルセロナ五輪出場。2018年春、川村学園女子大陸上部を本格始動させた。桐生南高―順天堂大―富士通。

2019/05/02掲載

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