社会連携教育 地域の未来をつくる
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 令和が始まりました。戦争と繁栄の昭和から成熟と災害の平成に時代が移り、令和ではどのような風景を見ることができるでしょうか?

 最初の大きなイベントとして2020オリンピック・パラリンピックがひかえています。2020年は訪日外国人観光(インバウンド・ツーリズム)の旅行者が4000万人を超えて、その観光消費額が8兆円になるのではと言われています。群馬県の19年度当初予算が7511億円なので、その10倍以上のすごい経済効果です。前回、東京オリンピックが開催された1964年の訪日外国人客数は35万人ですから隔世の感があります。

 インバウンド観光客にとって、東京から2時間程度の移動距離は問題にならないようです。群馬の温泉やリゾートさらには商店街や農村にも多くの人が訪れることが予想されます。県内で受け入れ準備は進んでいるでしょうか?

 遅ればせながら私が担当する科目で「インバウンド人材育成プログラム」というPBL型授業を2018年度から始めました。PBL(Project Based Learning)は学習の手法で、学生がチームになって現実の課題解決に取り組む実践的な授業です。最近では多くの大学で取り入れられています。

 インバウンド観光の学習といっても、座学だけでは知識で終わってしまいます。そこで前橋市観光振興課、前橋観光コンベンション協会、NPO赤城自然塾の皆さまにご協力をお願いして、実際に前橋市内でフィールドワークを行いました。

 カネコ種苗ぐんまフラワーパークを外国人旅行者になったつもりで観光して、発見した課題を代表取締役の前でプレゼンテーションしました。また、前橋観光コンベンション協会のガイドで中心商店街のツアーを行いました。「商店街」という新たな観光資源を発見し、学生による商店街まち歩きツアーの提案を行いました。

 参加した学生たちは社会人の皆さんと真剣にディスカッションをして、現実の課題に取り組む姿勢や苦労、評価される厳しさと喜びを学んだ授業になったと思います。

 ご協力をいただいた関係者の皆さんには、学生とのディスカッションを通して若者の視点や発想、率直な問題点の指摘と改善点をお返しすることができたのではないかと思っています。20年春には群馬デスティネーションキャンペーン(DC)が始まるので、少しでも学生の発想がお役に立てれば幸いです。

 このような、学生と社会人が協働して学び合うスタイルを、私は社会連携教育と呼んでいます。実社会のテーマへの挑戦を通して学生が成長する教育を、共愛学園前橋国際大ではいろいろな場面で行っています。こうした学びのなかから「地域の未来は私がつくる」という学生が生まれることを願っています。



共愛学園前橋国際大教授 奥山龍一 東京都中野区

 【略歴】1978~2013年に早稲田大職員を務めた後、14年10月から現職。サンデン環境みらい財団理事、牛久保・天田育英財団理事。東京都出身。早稲田大卒。

2019/05/22掲載

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