ジュニア期の指導者 自ら努力し挑む選手を
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 おおたスポーツアカデミーは4月5日に総合開講式を行い、受講生、講師(指導者)、保護者計約700人が参加しました。各種目の代表講師が、受講生や保護者に向けて目標や活動方針を説明し、スタッフを紹介しました。

 受講生代表は「多くの仲間をつくりたい」「自らの可能性に挑戦したい」「将来の夢の実現に近づきたい」と力強く目標を述べました。目標を達成させるためには、指導者の存在が必要であり、その役割は極めて重要です。

 そこで今回は、ジュニア期におけるスポーツ指導者の役割について考えてみました。

 まず指導者は「どのような子どもを育てたいのか」「どのような指導方針なのか」を示し、子どもや保護者に伝えることが必要です。子どもたちは目標が明確で練習が楽しく、自身の成長を感じることができれば、進んで練習に参加するでしょう。保護者は子どもに活動する意欲があり、楽しく参加できる環境があれば、安心して子どもを預けることができると思います。

 一方、指導者の行動や指導が期待と異なると、信頼関係が崩れ、トラブルに発展することもあります。指導者として最初に心掛けるべきことは、保護者や子どもと密にコミュニケーションを図り、一つの方向に向かって、子どもを育成することです。

 指導方針を伝えるだけでは十分とは言えません。社会の変化に合わせ、学校やスポーツ界でも、育成すべき人物像に変化が起きています。学校現場では、主体的・対話的な学びが重視され、子どもが能動的に学ぶ授業が進められています。スポーツ界でも、自ら考え、自ら判断し、行動できる力が求められています。

 「試合に勝利する」ことは目標の一つとして大変重要です。ですが勝利を追求するあまり、技術やテクニック、戦術ばかりを優先し、指導者の考え方を押し付けている現状も少なくないと感じています。自ら考えて行動できる子どもを育てるためには、これまでの自身の指導方法にこだわり過ぎないことが必要です。子どもが主体的に課題を解決し、創意工夫ある取り組みが実践できる環境を整えてあげてください。

 また、個人の特性や発達段階に応じた指導の下、子どもの成長を信じて待つことも重要だと考えます。たとえ、求めていた結果が得られなかったとしても、その過程を経験したことが、ステップアップのための糧になるからです。

 学習も、スポーツも「自分で何ができるか考え、工夫していく過程」が「一番楽しく、重要」ではないでしょうか。スポーツ指導者は結果ではなく過程を重視し、結果に至るまでの努力や行動を評価することが大切です。そのことによって子どもたちは意志が尊重され、認められたと感じることができ、大きな励みになるはずです。



おおたスポーツアカデミー校長 吉井均 太田市新道町

 【略歴】館林高等特別支援学校長や県高校野球連盟会長などを務め、2018年4月から現職。教諭時(保健体育)はバレーボール部を指導。早稲田大教育学部卒。

2019/05/24掲載

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