スタートする場 未来のため家庭支えて
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 そもそも保育園とは何のために存在すると皆さまはお考えですか?

 私は保育園の存在意義は、基本概念として子どもたちとご家族の未来が幸せにつながっていくためにあるものだと考えます。そのために、子どもたちにどのような保育をし、保護者とどのようなコミュニケーションを取って循環しながら未来へつなげていくかが大切です。

 歴史を振り返ると、保育園は子どもを心身ともに健やかに育成し、母親が安心して働けるよう発足しました。現代では、子どもだけでなく母親の心身も守るために福祉として保育園は発展してきました。まだまだ働く母親のためのイメージが強いですが、家事育児いわゆる家庭を大切にする仕事をしている母親自身も大切にされる時代がやってくるべきだと私は考えます。

 これは家事という観点から母親を擁護するという話ではなく、父親ができていないということでもなく、真面目な話で実際に家事とは生活をしていく上でのすべてを考え実行することだということ。またそこに育児が加わってきたならば、子どもの命を守り成長を助けながら、同時に3人、4人の生活が行えるように変化し続けるものが家事であり育児です。

 それだけ大変な家庭の仕事をしていながらも、現代社会では就労し、場合によっては高齢化により介護も加わってきています。そして、その状況は年々増加傾向にあります。

 昔、家事育児は母親の仕事だったから頑張れとか、現代社会ではイクメンが活躍などという言葉で安心できる問題ではなく、家庭内や会社組織また社会全体で「共に考える」べきである重要なことだと捉えています。なぜなら社会は人の集合体から成り立つものであり、その中には当然家庭も含まれ、今後の社会を作る子どもたちとその子を育てる親がいるからです。

 その観点からすると、家庭の支援ということが今後の社会では必要課題となるのではないでしょうか。保育園は専門性と特化した役割もあるため子育て支援に集中しながら、私自身、別軸で家庭の支援についても今後本格的に取り組んでいこうと思っています。

 理由は明白です。本来親の手は大切なわが子を抱きしめるためにあります。本来親の心は子どもの心を抱きしめるためにあります。だが現実は、家事に追われ手がふさがり、仕事に追われ心は奪われる状況がみられます。現代社会における家庭状況では、完全に母親や家庭で現実的にできるキャパシティーを超えています。

 家庭が家庭らしく、人間が人間らしく生きるために、家庭支援についていま一度しっかりと捉え行動すべきでしょう。すべては家庭からスタートしたのだから。



あそびの森保育園園長 新井琢磨 前橋市箱田町

 【略歴】2008年から保育園を経営し、学校の長期休業時は学童保育も運営。傍らNPO法人ぐんまを元気にする会で次世代の若者支援に取り組む。日本大卒。

2019/05/27掲載

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