私の願い、皆の願い 平和を守る人々と共に
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 長い鎖国の時代を経て開国した明治時代になり、1894年に日清戦争を始めた日本は、日露戦争、第1次世界大戦参戦、満州事変、日中戦争、そして太平洋戦争が終わる1945年までの51年の間、こんなにも戦争をしてきたのです。

 太平洋戦争が終わって現在までの74年間は戦争をしていません。なぜだか考え調べました。それは、国の大切なきまり「日本国憲法」に「戦争放棄」としっかり書かれているからです。世界に誇れるこんなすばらしい憲法を、ずっと守っていこう、平和を守っていこうと、実にたくさんの人々が、心から願い行動してきたからだと思います。

 家庭では親が子どもたちに語り、職場でも語りあい、さまざまな職業の人たちが、それぞれの置かれた場で、与えられた能力で、平和の大切さを発信し続けてきたからではないでしょうか。

 子どもたちにもわかるように、映画『火垂るの墓』や、中沢啓治の漫画『はだしのゲン』をはじめ、絵本、児童向けの本もたくさん出版されています。わが子や孫に読んでやった本で、大川悦生の『おかあさんの木』、つちやゆきおの『かわいそうなぞう』、早乙女勝元の『猫は生きている』、武田英子の『青い目の人形メリーちゃん』、松谷みよ子の『まちんと』、海老名香葉子の『半分のさつまいも』、八木義之介が自分の子どものために書いたという『糸井ちゃんせんそうのお話してあげる』、大門高子の『むらさき花だいこん』などなど、たくさんあります。

 前橋出身の作家、木暮正夫の『時計は生きていた』に前橋空襲が書かれています。どの本にも「人間として生きるのに忘れてはならないことがある。戦争は人々の心をねじまげます」というメッセージが込められています。

 また、世界のベストセラーともいわれている聖書には「平和をつくる者は幸いです」「平和を守りなさい」「平和を追い求めなさい」など、たくさん平和について記されています。聖書を読み、祈り、地味にこつこつ行動している方々もいます。映画界をはじめ、音楽家、画家、演劇人、文筆家など、あらゆるところで、平和をテーマに取り組んでいる人たちが、今も活動を続けています。

 総務省の統計によると、2017年現在、戦争を体験した75歳以上の人々の数が、日本の総人口の13.8%になったそうです。私は自分が体験した恐ろしかった戦争の体験を、きりえの作品にしましたが、戦争を知らない人たちに、これからも語り伝えていきます。

 平和でなければ今の生活はできません。一人一人が、真剣に世の中の動きに目を向け、行動していくことが大切だと思います。ぼんやりしていたら平和は逃げてしまいます。



きりえ作家 飯塚照江 前橋市大利根町

 【略歴】1939年生まれ。6歳の時に終戦を迎える。きりえ作家として活躍する傍ら、元保育士の経験を生かし、教育や子育てについての講演を行う。前橋女子高卒。

2019/06/12掲載

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