未来の教室像 個にあう学び自ら選ぶ
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 「学校に行ってないの」と海外の友人に言うと「ホームスクールしてるんでしょう」と返されるという。米国などの諸外国では、ホームスクールは合法である。

 現在の学校教育が合わない子どもや保護者が、不登校状態を経て「自分にとってどこが安心して学べる場か」を考えた結果、ホームスクールにたどり着くケースが少しずつだが日本でも増えている。

 通える範囲に多様な学び場や居場所が少ないという理由もあるが、私の知るホームスクーラーたちは、仕方なくではなく、その子にとってホームスクールがベストだから選んでいるように見える。

 ホームスクールと言ってもスタイルはさまざまで、学びたい人や場所へ行くハックスクールタイプの家庭もあれば、家でゆったり自分のペースで教材を学ぶタイプの家庭もある。ホームスクールもオルタナティブスクールも「学びの主体は子ども」である。

 現状、ホームスクールが可能かは、伴走ができる時間が保護者にあるかどうかにかかっている。何より、子どもがのびのびと過ごせる家庭環境であるかは最も重要である。

 日本財団の調査で、「本当は授業に参加したくない」「登校はするが教室には入りたくない」という思いを抱えている「不登校傾向」の中学生が約33万人と推計されることが明らかになった。文部科学省が発表した約11万人の不登校状態の子どもたちと合わせると、約44万人である。

 彼らの心の声は、学校をはじめとした学びの場・学びの在り方を変えていこうよ! という声に他ならない。

 文科省も経済産業省も時代の流れに応じた未来の教室像を真剣に考え始めており、EdTech(エドテック)を活用した学びの検証事業を進めている。EdTechとはEducation(教育)とTechnology(科学技術)を掛け合わせた造語で、インターネットなどの情報通信技術(ICT)を活用した教育サービスのことである。

 これだけICTが発達しているのだから、場所を選ばずに個に応じた学びはできる。学び場でも家庭でも子どもを真ん中に連携していけば、一人一人の学びはより豊かになっていくはずだ。もっと自由な感覚で、自分なりの学びを創造していけると思う。

 昨年、ある教育イベントにて、経産省の浅野大介氏が「ホームスクールを進めていくための最後の壁、最後のピースは何か?」と登壇者に問うた。日本ホームスクール支援協会理事の北本貴子氏は「一人一人の意識だ」と答えた。

 学びの場が自分に合わない場合、ホームスクールという選択肢は入っているだろうか。多様な選択肢の中で、自分(子ども)に合う場を自分が選ぶのだという意識を親も子も持っているだろうか。

 他人軸でなく自分軸で生きているか、が肝である。



フリースクール「まなビバ!シリウス」代表 安楽岡優子 館林市仲町

 【略歴】小中学校の教員を11年間務め、アフリカ・タンザニアでのボランティアや東北で復興支援教員を経験。2018年4月にシリウスを立ち上げた。熊本市出身。

2019/06/30掲載

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