群馬のブランド力 選ばれるお米目指して
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 私たちは「農業を通じて地域の活性化」を目的とした農業支援や環境保全に取り組んでおります。今の時期は水田圃場(ほじょう)の再生化と生産支援を主体として活動しております。

 皆さんは群馬県産の農産物で有名なものとして何を思い浮かべることができるでしょうか? 嬬恋のキャベツ、下仁田ネギ、こんにゃくはブランド的にも確立していると思います。

 その他にも群馬県の野菜などの農産物は多数、スーパーに並んでいますが、お米だけは「群馬県産」に目にかかることが非常に少ないです。稲作農家にとってはとても残念なことです。何故に店頭に並ばないのか疑問に思いませんか?

 私たちはこの群馬でおいしいお米作りを研究し、以前「米・食味分析鑑定コンクール世界大会」で金賞を受賞しました。一昨年は特別優秀賞に選ばれ、地域と作り方によってはおいしいお米ができると自負しております。

 ブランド化とまではいきませんが、食味分析値80点以上のコシヒカリを「瀧泉米」として吉岡町のJAファーマーズの産直ブースやネットで販売し、リピーターが増えてきています。

 消費者は正直です。おいしく適正な価格であれば購入していただけますが、まずければ二度と買っていただけることはありません。

 そのため、毎年圃場ごとに食味分析を行い、社内の格付け規定によって食味値80点以上だけを「瀧泉米」として流通しています。収穫作業を弊社に委託している近隣の生産農家さんの圃場も食味分析を行い、評価による改善や対策のアドバイスを受け入れていただき、年々食味値が向上しています。

 お米のブランド化は難しいのですが、地元のスーパーに「群馬県産」のお米がいつか並ぶことを期待しています。

 群馬県全域において高品質のお米を作ることはできません。環境や水質、土壌など条件によって限界があります。また農業生産者の高齢化に伴って離農者が増え、耕作放棄地は今現在でも増えています。一度耕作放棄になった圃場は再生に時間もかかります。

 私たちは大手米卸商社「木徳神糧」とタイアップし良食味・多収米の新品種「にじのきらめき」を昨年度から作付けしています。群馬ブランドを目指す二つ目の新たな取り組みです。

 食味値も他の多収米より高く、粒が大きく食感が非常に良いお米です。「にじのきらめき」は高温耐性と耐倒伏性に優れた中生水稲新品種で群馬県の地域性にあった品種です。今後増えていく耕作放棄地をカバーし、農業を牽引(けんいん)する若い営農者にとっては一つの武器になるのではないでしょうか。



一般社団法人広域農業支援センター代表理事 新井貴久男 渋川市有馬

 【略歴】富士製作所社長。2008年に農業参入。15年より耕作放棄地利用権設定による作付け拡大・受託農作業開始。魚沼良食ナンバーワン大会特別金賞受賞。

2019/07/01掲載

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