高校野球に関わる人へ 経験はきっと宝になる
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 全国高校野球選手権群馬大会の組み合わせが決まり、高校野球に青春をかけた生徒たちの戦いがいよいよ始まります。開幕前に書いているこの原稿が掲載される頃には、群馬大会も対戦が進み、数々のドラマが生まれていることでしょう。

 高校野球の魅力は、生徒たちの「ひたむきな全力プレー」と「正々堂々と戦う姿勢」にあります。私は以前、県高校野球連盟の会長を務めさせていただき、生徒たちからたくさんの「感動」や「勇気」をもらいました。

 そこで今回は、多くの人々が関心を寄せる高校野球について書いてみました。

 多くの高校球児は、憧れの甲子園球場でプレーすることを目標に、努力を重ねています。甲子園球場は、勝敗を競う場であることはもちろんですが、生徒たちを温かく見守り、成長へと導いてくれる場でもあります。

 しかし、甲子園という華やかな舞台へ出場できる学校は67校62チームのうち1校または1チームしかありません。初戦で敗退した学校もあれば、決勝戦で惜しくも敗れ、甲子園への出場を目前で逃した学校もあります。それでも、試合で得られた経験は、かけがえのない財産となるはずです。目標に向かってともに歩んだ仲間との絆は、一生の宝であり、心の支えになるでしょう。

 一方で、部員不足のために単独校での出場がかなわない学校もあります。それでも、仲間とともに日々練習に励んでいる生徒たちがいます。試合に出場できなくても、野球を続けることで身に付いた力は、将来どんな道に進んだとしても必ず生かされると思います。

 群馬大会に選手登録されない3年生が主役となり、練習試合を行っている学校もあります。一球一球に3年間の思いを込めて戦う姿は胸を熱くさせます。試合を終えた後の子どもたちの達成感に満ちた表情や互いに健闘をたたえ合う姿に、改めて高校野球の素晴らしさを感じました。

 役員として、球場のグラウンド整備や駐車場での誘導、入場券の販売、入退場口の整理、アナウンスなど、裏方として大会運営を支えている生徒も大勢います。雨天時には泥まみれになり、炎天下では滴る汗をぬぐい、混雑時には息つく暇なく動く生徒の姿には、いつも心を打たれました。

 こうした経験を通し、誰かの役に立つことの尊さや、自分自身が多くの人たちに支えられていることに気付くことは、とても大切なことです。

 勝ち負けに関心や話題が集まりがちな高校野球ですが、こうした選手以外の生徒たちの活躍も高校野球の魅力であると考えます。これからも、高校野球に関わる全ての生徒たちを応援し、見守っていきたいと思います。



おおたスポーツアカデミー校長 吉井均 太田市新道町

 【略歴】館林高等特別支援学校長や県高校野球連盟会長などを務め、2018年4月から現職。教諭時(保健体育)はバレーボール部を指導。早稲田大教育学部卒。

2019/07/11掲載

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