人口減の時代に 「自然と人間」問い直す
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 総務省が、2019年1月1日時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査の結果を発表しました。国内の日本人は1億2477万6364人で前年より43万3239人の減少。群馬県は192万4605人で前年より1万2471人の減少になっています。都道府県別では人口減がない自治体は埼玉、千葉、東京、神奈川、沖縄の五つのみ。18年生まれの日本人は92万1000人で、3年連続100万人を割っています。しかも65歳以上の割合は28%に上昇。まさしく少子高齢社会の現実です。

 日本の総人口は、明治元年にあたる1868年の3400万人から増え続け、1967年に1億人を超えたとされます。冒頭の調査では、日本人は2009年の1億2707万人をピークに減少傾向に転じています。国連人口部によれば、日本の人口は2100年には7500万人になると推測されています。

 政界の大方は、人口減少に対しては国力維持の観点から最低でも1億人を政策課題としてあげます。財界では、一定の経済規模確保の観点からこれ以上の人口減少は避けたいとの主張が大勢を占めています。そして一般的には、少子高齢社会が直面しているさまざまな社会的課題(子育て、教育、雇用、働き方、年金問題、社会保障、高齢者福祉、医療)へのマイナスイメージや漠然とした不安が先行しているように思えます。

 そのありさまは、まるで少子高齢社会の現実におぼれてしまい、すっかりその日常の中に埋没して身動きが取れなくなり、もがき苦しんでいるようにも見えます。そうした思考状況の中からは、容易に斬新な発想は期待できませんし、ましてや百年の計はとうていおぼつきません。

 そこで少子高齢社会の現実に埋没もせず逸脱もしないギリギリのところで、日本における「自然と人間社会」のあり方という第三の観点から、日本の少子高齢社会、人口減少について、再検討してみてはどうかというのが私の提言です。

 日本の自然(国土)は、およそ80%が山岳地帯で人の住める里は20%に過ぎません。そうした国土の日本では、自然に負荷をかけずに、つまり「山を崩さず、空や川を汚さない」で、人々が歴史や文化をおろそかにせず、最先端の科学に支えられて快適に暮らすために、どれほどの人口規模で暮らすことが良いのでしょうか。

 こうした観点から2100年に向けて、「人口8000万人の国づくり・地域づくり」を、今から80年をかけて緻密に計画していくことを提案します。少子高齢社会という現実を私たちはどのように受け止めて、将来に生かしていけるのか―。こうした少子高齢社会に対する大局的な観点こそが、今の私たちにとって、最も必要な課題であるように思います。



板垣与一記念館館長 宇佐見義尚 安中市松井田町人見

 【略歴】知的障害者施設「清涼園」職員、亜細亜大経済学部教員を経て現職。東京都武蔵野市社会教育委員の会議議長。ジジババ子ども食堂主宰。高崎経済大卒。

2019/07/24掲載

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