ものづくりのコツ 個性豊かに楽しもう
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 体験工房には、いろいろな方がお越しになります。どんな旅なのかとか、当店にお越しいただいた理由などを伺いながら、雑談を交えていろいろなお話をします。

 旅行に出掛ける度に手づくり体験するのが定番という人、初めて旅先でものづくりをする人、作りたいものがあったから目指して来てくださった人、たまたま通りかかって興味を持った人など、来店理由もさまざまです。ですがいずれも、ものづくりをしたいという気持ちが前提にある方ばかりです。

 会話を進めていくと、しばしば「センス」というものが話題になります。センスが試される、センスがない、作りたいのに自信がない―というのです。私だってセンスなんてもの持ち合わせておりません。ものすごく欲しいです。

 ここで、センスとはいったいなんぞや、という問題発生です。才能とか能力などとされていますが、覚えるのが早い、感覚的に優れているなどを指し、自分もしくは相手が「良い」という感覚に触れるものがセンスに値するようです。

 では、美術的、しかも創作という分野で、この「良い」とされる感覚を表現するならば、それは一体誰が決めて、どういう状態のものが「センス」になるのでしょうか。
 それは、誰にも決められないし、誰もが勝手に決めて良い、無限の感性の世界です。

 見本と同じものを作っても、少し違っても、まったく違っても、それはそれで「良い」のです。後は、自分が好きか嫌いかくらいのさじ加減で決めていいと思います。自分で作ったものなら、愛着がきっと湧くはずですから。

 一般的にセンスが良いとされるものは、多くの人が良いと思うものを集結して、整えたものだと思います。作った人の感性そのものと言うよりは、環境と勉強・努力のたまものだと私は思います。何度も何度も経験を積んで、吸収して培ってきたものです(もちろん生まれつきの天才はいると思います)。そして、それができる人はその分野が好きな人です。それと比べてしまうから、「センスがない」なんて、上手にできない理由にしてしまうのです。

 付き添いでご来店されて、一緒に体験してみたら、思いのほか楽しかったと笑顔で帰られる姿を見ます。実は「しなかった」だけで、経験してみれば自分の素質に自信が持てるかもしれません。まずは興味を持って、作ることを経験することから始めてみてはいかがでしょう。

 だからこそ、そのきっかけになるような、誰もが自由に、楽しく体験できる場所でありたいと思います。向き不向きはあると思いますが、他人と比べて臆病にならずに、自分らしく楽しみましょう。一人一人の個性があふれるこのお店で、今日もご来店をお待ちしております。



手作り体験工房「クラインフォーレ」運営 鳥山博美 渋川市赤城町見立

 【略歴】キャンドルアーティスト。高校卒業後就職。20代後半にテーマパークで体験教室講師。独立して2018年春、伊香保温泉に体験工房を構える。渋川市出身。

2019/8/3掲載

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