労働力の確保へ 農業に多様な働き方を
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 農業分野における課題の一つ、労働力の確保は、少子高齢化のトレンドや地方経済にとって深刻な問題といえます。その解決には、AIの進展を待つより、もっと近い将来の対策として多様な働き方を農業分野にも取り入れることが重要であるといえます。この多様な働き方について二つの方向性を提言したいと思います。

 一つ目は、労働力としての第3の外部人材リソースの活用です。外部人材の活用については、第1に高齢者および主婦層、そして第2が技能実習制度を活用した外国人の登用とするなら、新たに第3の外部人材としてサラリーマンの副業・兼業が挙げられます。

 3年前のマイナンバー制度導入により一時減退した副業も、働き方改革における柔軟な働きやすい環境を整備することが推奨されたことにより、機運が高まっています。企業が農業体験を研修に取り入れる事例があるように、農業はサラリーマンにとっては、身体的精神的にも高いリフレッシュ効果が期待できます。

 弊社グループでも今年4月、副業が解禁となりました。弊社の場合、「複業」と言いますが、社員の成長の場が複数あるという意味合いから来ています。自社で培った知見を社会に還元してもらいたい、自社以外を経験し成長してもらいたいという思いから複業が解禁となりました。

 この動きに合わせ群馬県全体として農業分野への兼業を推奨し、企業の取り組みへの後押しをすべきだと考えます。

 提言の二つ目は、群馬県自体が農福連携による農業人材育成を行うことです。元々自治体には、障害者の一般企業への就職を円滑に進めるために1~3年間限定で雇用し就労の準備性を高める仕組みとして「チャレンジ雇用制度」があります。この制度を利用し、群馬県が農業人材として障害者を3年間雇用した上で、農業スキルを習得し、農業人材を輩出するというものです。

 全国レベルでの行政の障害者雇用水増し問題は、改善途上にあります。また厚生労働省の発表では、問題発覚後の昨年10月から今年4月までに中央省庁で雇用された障害者のうち5%が7カ月以内に離職しているとのこと。離職には本人と受け入れ側との双方の問題がありますが、何より両者の環境の準備が整わない中で就労は拙速に過ぎるのではないでしょうか。

 群馬県がチャレンジ雇用制度を利用して農業人材を育成することは、このような問題への改善策の一つとなりえると考えます。

 これら二つの提言を例えるなら、ぐんま発のダイバーシティー・インクルージョン農業です。農業分野での働き方改革が、農業人材の供給源となりえるのではないでしょうか。



とみおか繭工房マネジャー 原田大 安中市原市

 【略歴】人材サービスのパーソルグループで障害者の就労支援事業を担当。子会社が企業養蚕に参入するのに当たり、2017年4月から現職。富岡高―青山学院大卒。

2019/8/17掲載

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