「群馬づくしの日」給食 広がれ、おいしい笑顔
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 8年前、「群馬のおいしいものな~に?」とぐんま特使のフードジャーナリスト・向笠千恵子先生に質問されました。何も言えずにいると、「“コミス”やお醤油(しょうゆ)とか、いいものたくさんあるじゃない」と言われ、地元を知らず、ぐさりときた私です。

 その後、群馬の良い食材を探す旅が始まりました。渋川市の見城彰さんが作る大きな「洋梨コミス」は、上品なかぐわしい香りと、果肉はしっとりとして心を吸い寄せられます。今でも初めていただいた時の感動は続いています。

 伊勢崎市の生産者と消費者を結ぶ運動は県内各地に広がりました。2018年、「上州アグリ100年ブランド協議会」(奈良哲男会長)が発足したのです。100年続くブランド品質の確立を目標に、県内7市町村の生産者140人が結集し、行政も関わります。奈良会長は「群馬のいいものを作っている人に、一人でも多く参加してほしい」と呼び掛けています。

 統括アドバイザーは、事業戦略構築研究所AX代表で川場村産米の「雪ほたか」も手掛けた高木響正さんです。一軒一軒農家を回り、農家の意向ややりたいことを確認し、その情報を行政の農政担当者に提供し、若手農家と三位一体となって、農業を主役にしたいと情熱を持っています。高木先生は「地域の自然環境と人々の知恵と技を最大限に生かして生まれるのが最高の食文化」と話します。

 奈良会長の住む高山村を訪ねました。8月は100年以上前から受け継がれた伝統野菜「高山きゅうり」のおいしい季節です。奈良会長に伺うと、村は高山きゅうり、高山村産米の「月あかね」、ビーツ、花のブランド化に力を入れているそうです。「学校給食で有機野菜など安全でいいものを食べさせてあげたい」と言われます。

 メンバーの後藤明宏さんは高山きゅうりを有機栽培しています。さみどり色をした1本に生のままかぶりつくとみずみずしい食感があり、シャキッとしておいしいです。後藤さんは、熱心に若手農業者の指導もしています。

 からだも心も喜ぶビーツや高山きゅうりを有機栽培している平形清人さんは、地域の小学校の授業でビーツを子どもたちと一緒に育てているそうです。「学校給食を通して、子どもたちに伝統野菜や地域の魅力を知ってもらえたら、うれしいです」と爽やかに話します。

 7月、伊勢崎市の学校給食「伊勢崎づくしの日」で、ブランドゴボウ「京香」が約1万9千人に提供され、6人の生産者が、小・中学校3校に分かれて楽しく食育活動をしました。県下各地で同様の取り組みが行われ、「群馬地元づくしの日」という形へと発展してほしいと願っております。子どもたちが群馬のおいしいものを食べ、地元を誇りに思えるように。



羽鳥こども医院薬剤師 羽鳥裕子 伊勢崎市南千木町

 【略歴】伊勢崎市「農&食」戦略会議アドバイザー、上州アグリ100年ブランド協議会市民サポーター代表、伊勢崎市農業委員を務める。北里大薬学部卒。

2019/08/19掲載

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