群響×高崎芸術劇場 新たな“楽器”と飛躍へ
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 日本には現在、プロフェッショナルとして活動しているオーケストラが、25団体(日本オーケストラ連盟に加盟している正会員の数。準会員を含めると37団体)あります。そして、各オーケストラの活動の中心になるのが、「定期演奏会」での演奏です。

 この定期演奏会を通じて、オーケストラの実力を示し、より高い芸術性を追求することにより、音楽文化の充実・発展に寄与する目的があります。さらにはこの活動によって、世の中のより豊かな社会生活の向上の貢献につなげていく、という大きな目標に向かって展開されております。

 群馬交響楽団(発足当初の名称は高崎市民オーケストラ)の第1回定期演奏会は1946年3月10日、当時高崎市昭和町にあった高崎市立高等女学校の講堂で行われました。61年7月、群馬音楽センターが高崎市に完成してからは、改修工事等の特別な事情を除けば現在までの60年近く、群響の定期演奏会はここで開催され、群響の演奏史に欠かすことのできないあまたの名演・エピソードがここから生まれてきました。

 群響以外の全国のプロオーケストラも皆、本拠地・ホームグラウンドとなるホールで定期演奏会を開催しており、それぞれがどういう演奏をすればどのように響き、お客さまに伝わるのかというホールの特性を熟知することで、さらに質の高い演奏を目指しているところであります。

 いよいよ20日に新しいホール、「高崎芸術劇場」が高崎駅東口にオープンします。これに伴い、群響の定期演奏会の会場も高崎芸術劇場に移ることになりました。今まで長年慣れ親しんだ群馬音楽センターから未知の新ホールに移ることは、ある意味冒険ですが、最新の設備と環境が整った新しいステージでの演奏に期待が高まるばかりです。少しでも早く新ホールに慣れ、最上の音を創り出し奏でられたらと考えています。

 クラシック音楽の業界では「ホールも一つの楽器である」とよく言われます。楽器というにはとてつもない大きさですが、しかしながらこの良しあしが、演奏する方にとっても聴く方にとっても大変な差であることは、紛れもない事実であります。

 群響のミュージック・アドバイザーである小林研一郎先生の指揮のもと、東京オペラシティ、群馬音楽センター、上田市交流文化芸術センターという三つのホールで同じ曲目・同じ出演者による群響の演奏会が7月に行われました。各回とも力の入った熱演でしたが、3回とも聴こえ方が全然違っていました。やはりホールによって、演奏が違う・変わってくることを痛感させられました。

 高崎芸術劇場がこの三つのホール以上の最高の楽器となり、新たな魅力あふれる群響サウンドをお届けしたい気持ちでいっぱいです。



群馬交響楽団常務理事兼音楽主幹 渡会裕之 高崎市中豊岡町

 【略歴】群馬交響楽団で30年間、バイオリン奏者として活躍し、2018年4月から現職。東京都出身。中之条一中、渋川高時代に移動音楽教室を体験。国立音楽大卒。
 
2019/09/01掲載

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