今を生きるため ALを効果的に使おう
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 グループでアクティブ・ラーニング(AL)の手法で学習するときには留意することがあります。ALはグループ学習のときに有効な方法ですが、グループ学習したからALであるとはいえません。

 ALは「認知プロセスの外化」といわれています。認知プロセスとは、頭の中で考えをつくっていく過程のことで、見たり聴いたり読んだりして頭の中に入ってきた知識や情報を、自分なりに話したり教えたり書いたりできるように考えをまとめていく過程です。外化とはアウトプットのことです。話したり教えたり書いたりして自分で考えたことを外に向けて発信・表現することです。

 グループ学習で、ALの手法を使うときにはその目的を意識することです。知識を定着させる、みんなが納得できる答えを目指して考えを出し合う、「認知プロセスを外化する」能力を身に付ける、などの目的が考えられます。ALの手法を使いながらグループ学習をして「認知プロセスを外化する」能力を高めることができれば、グループ内での話を深めることができ、そこから新しい考えが生まれてくる可能性はあります。

 大事なことは「なぜALを行うのか」という目的です。それが明確になり、生徒と共有しながら授業を行うことができれば、さまざまな面でAL効果を得ることができる授業になるでしょう。

 時間の関係でALの手法を使ったグループ学習の授業ができないのであれば、講義型の授業の一部の時間帯に「認知プロセスを外化」する、つまり話したり教えたり書いたりするための時間を設けるという方法もあります。

 あるいは月4回の授業のうち3回を知識獲得のために一方向の伝達・注入する講義型の授業を行い、残りの1回はグループ学習を行うなど、講義とグループ学習のさまざまな組み合わせを考えていくことができると思います。

 どのように変化するのか予想のつかない社会を生き抜くために必要な能力である能動性、多様性、協働性を育成するには、ALを効果的に使いながらトレーニングをするしかないような気がします。ALを効果的に使えば、インプットした知識を定着させること、インプットしたさまざまな知識や情報を元々あった知識にかぶせることでの深い学び、新たな発想を創造する能力を育むことなどは可能になるでしょう。

 ALはこれからの時代に必要になるさまざまな知識や情報を定着させたり、深めたり、創造させたりできますが、身に付くまでに多くの時間がかかると思われます。

 さまざまな教科・科目等で、幼稚園・小学校から大学まで一貫してこれらの能力を育てる意識を持ちながら、ALという手法を使う機会を増やしてトレーニングしていく必要があると考えます。



明和学園短大教授 田口哲男 高崎市羅漢町

 【略歴】県内公立高で37年、理科教育や学校運営に携わり、2018年4月から現職。日本バレーボール協会公認講師。近著「高校生に確かな学力をつける」。同志社大卒。
 
2019/09/18掲載

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