幸せな店づくり 共感が優しさを生む
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 今回で最終投稿となります。手づくり体験の魅力を主に語らせていただきました。読んでくださった方、お店に足を運んでくださった方、心より感謝申し上げます。

 お店を経営することは楽ではないですが、自分たちのやりたいことを、自分たちのルールとペースでできるという利点では、雇われていた頃の何倍も良いかもしれません。

 最近、運転をしていて気付いたことがあります。私、心が穏やかだ、と。車の中は自分だけの世界になりがちなので、どうしても素がでます。お恥ずかしながら、以前は荒れていた記憶があります。あおられたら対抗していました。危ないですね。今は不思議とまわりが良く見えていて、冷静な判断ができている気がします。

 会社員だったころは、限られた時間の中で、いかに効率よく業務をこなすか、ということばかりが求められていました。その中で顧客満足を保っていかなければなりません。同僚や先輩との人間関係も加わって、とても苦しかったのを覚えています(私の能力に難あり)。

 それに比べて、今は気の合う仲間と、自分がベストだと思う接客サービスをしながら、私の好きな手芸ができています。困難はあってもちゃんと乗り越えられる壁だと思えることが、私の気持ちを穏やかにしてくれているのだと感じています。自分たちが信じて頑張っているお店で、「楽しかったです。また来ます」と笑顔で帰っていく姿を見ることができているから。

 ある統計によると、心理的安全な状況で仕事ができている会社は、営業成績が良好であるという結果が出ているそうです。それは、お互いに自分をさらけ出しても否定されず、共感を持って、意見を言い合える環境を言います。自分の考えを押し付けず、相手の出した答えを尊重することは、人間関係においてとても大切なことだと思います。

 お店にはいろいろな個性を持ったお客さまがいらっしゃいます。十人十色、人それぞれ違う感性が生む、世界にたった一つの作品を見るたびに、相田みつをさんの詩を思い出します。格好良くても、いびつでも、それを美しいと思える気持ちを育てていけたら、とてもすてきですよね。一緒に働く仲間に対しても、そうでありたいし、あってほしいと思います。

 とは言いつつも、私には意見が合わない人もいるし、苦手な人もいます。他人を変えることはできません。でも、他人を否定することをやめたら、不思議と寛大な気持ちになれるものです。それは、反面教師で勉強しているからかもしれません。私もまだまだ勉強中です。

 それでも、私に関わる人たちが穏やかな気持ちになれるように、これからもストレスを減らす旅を続けたいと思います。



手作り体験工房「クラインフォーレ」運営 鳥山博美 渋川市赤城町見立

 【略歴】キャンドルアーティスト。高校卒業後就職。20代後半にテーマパークで体験教室講師。独立して2018年春、伊香保温泉に体験工房を構える。渋川市出身。
 
2019/10/07掲載

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