環境意識への危機感 将来世代に借りた地球
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ニューヨークにある国連本部で9月23日に気候行動サミットが開催された。スウェーデンから来た16歳の環境保護活動家、グレタ・トゥンベリさんが各国リーダーの前で怒りの演説をした姿をニュースなどで見た人もいるかもしれない。

 その週の金曜日、コーネル大の学生や地元の住民千人以上が、世界で起こっている環境問題に対してデモ行進を行った。地球を取り巻く環境問題は、非常に深刻であり、周りの学生の多くは、環境問題に関して現在の状況を改善しようと行動を起こしている。

 今学期、私は「食・水・エネルギー」がテーマの授業を受けており、中国とインドにある大学とビデオ電話をしながら、地球上で起こっている環境変化をさまざまな角度から追究している。米国南極調査隊の方が南極から講義をしてくださったこともあった。人間による経済活動が活発に行われていない南極でさえ、二酸化炭素上昇やオゾン層破壊を裏付けるデータが採集されている。

 そのクラスの中で、先進国の環境問題に関する意識調査のグラフが出てきた。イタリア・カナダ・フランスなどの各国は、半分以上の割合で環境問題に関心のある人がいるのに対し、日本はたったの25%。また、日本企業の脱プラスチックや脱ペットボトルへの意識は先進国最下位であった。クラス内で唯一の日本人である私は、この結果に対して申し訳ない気持ちになるとともに強い危機感を抱いた。

 今年の夏、米国人の友人が日本に遊びにきた際、果物やお菓子の過剰包装や自動販売機の多さに驚いていた。「水筒を持っているのに給水できる所がとても少ない。水を飲む度にペットボトルを消費するなんて非合理的だ」と日本を訪れたことのある複数の友人から聞いたことがある。

 実際、欧米では、トイレや人の集まる広場の隣には、給水所があることが多く、サンフランシスコ空港ではペットボトル飲料の販売が禁止されている。諸外国が環境問題に対して行動を取っている中、日本は経済的な面では先進国だが、環境を守るという面では発展途上国と疑われているかもしれない。

 日本は、緑に囲まれ、山と海に面した美しい国であることは間違いない。観光や文化、経済活動などさまざまな分野で自然からの恩恵を受けている日本は、環境破壊を阻止する具体的な行動が求められている。残念ながら、過去から現在に至る破壊された環境を元通りにするのは非常に困難だ。むしろ、現在の異変に目を背けず、真摯(しんし)に受け止める勇気が必要だ。

 今の自然環境を先代から「譲られた」ものではなく、将来の世代から「借りている」ものと意識を変えることで、日本が環境先進国として世界に示すことができる日を心から願っている。



コーネル大農業・生命科学部学生 沢浦えくぼ 米ニューヨーク州

 【略歴】共愛学園高を卒業後、米国オレゴン州ポートランドに留学。現在、コーネル大で農業ビジネスを中心に勉強中。食で世界中を幸せにすることが夢。昭和村出身。

2019/10/13掲載

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事