ずっとイイトコ お母さんの笑顔見たい
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 iitoko(イイトコ)のパンフレットの表紙の言葉は5年たった今も変わらない。

 「子育てをしていると、ふと立ち止まることってよくあります。そんな時、誰かにちょっと手助けしてもらうと不思議と自分の中の優しさが戻ってくるのを感じます。イイトコはお母さんの『こうだったらいいのにな』をかなえる応援をしています。なぜなら子どもたちは、イキイキお母さんが大好きだから…」

 このパンフレットを手に年間約100人のお母さんがイイトコに足を運んでくれる。お母さんの悩みはさまざまであるが、一つ共通しているところがある。それは偏見や差別のない優しい社会で子育てがしたいということ。遊びに行った先で、買い物に行った先で、子どもが突然大きな声を出したり、走りだしてしまったらどうしようと考えるだけで母親の気持ちはズンと重くなってしまう。

 この思いを一人でも分かってくれたら、どれだけ救われるだろう。「われわれイイトコにできることは、良き理解者=仲間をつくることだ!」。スタッフも周りのみんなも熱い思いで動きだした。

 去年の夏まつりのイベントでは、スタッフの手がどうしても足らず、同じ地域の高崎吉井西中学校の伊藤洋一校長先生に助けを求めた。快く引き受けてくださったが、夏休みに入る時期であったため生徒が集まらないかもしれないと不安があった。

 しばらくして、区長の春山彰太郎さんが地域で回覧された西中だよりを見せてくれた。そこにはイイトコの説明と西中生へのボランティアの呼びかけに加え、校長先生自ら「私も行きます」と書いてくださった一文もあった。そして、この記事はどの文章よりも目立つように区長さんの赤色鉛筆で大きく大きく囲まれていた。

 13人のボランティアが集合し、一人一人の生徒が丁寧に子どもたちと関わってくれた。それを見ていたお母さん方は、学校ぐるみ、地域ぐるみでつくり出された優しい時間を過ごせたことに感謝でいっぱいだったようだ。

 お互いを思いやる時間を持つことはとても大切なことだと思う。

 毎年開催している「障がいがあってもなくても大人もコドモもみんなでロケンロー!」というダンスパーティーがあり、100人から300人が集まる。過去3回藤岡、富岡、桐生の会場でやらせていただいた。今年は企画を進められなかった。私の健康状態をみていたからだ。

 しかし、火をつけてくれたドクロ団団長がいた。このダンスパーティこそが、大人もコドモも障がいがあってもなくてもみんなで分かり合おう! という大きくて優しい社会への発信なのだ。

 イイトコはなぜ優しい社会を作りたいのか。それはお母さんの笑顔が見たいから。



特定非営利活動法人iitoko代表 浅香千恵 高崎市吉井町下奥平

 【略歴】幼稚園教諭や障害児の放課後デイサービスの職員を経験。2014年、障害児を育てる母親を支援する団体「iitoko」設立。高崎保育専門学校卒。

2019/10/23掲載

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