ひみつ道具 自分で考えていますか
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 私が小さい頃は、大きくなったら車が空を飛び、人々はなんの不自由もなく暮らせるドラえもんがいる未来の世界になると思っていました。確かにドラえもんのひみつ道具は一部具現化しています。例えば「糸なし糸電話」というひみつ道具は糸がなくても会話できる糸電話なのですが、今の携帯電話はもっと進化して、どんなに遠いところでも顔を見ながら話ができます。

 昔に比べれば、テクノロジーは格段に進歩していますが、失ったものも多くあります。一つは自分で考え判断する力です。私たちは情報化社会に生き、確かに情報はあふれています。しかしその情報は全部正しいのでしょうか。情報があふれてしまったことで、情報に埋もれてしまっています。

 朝起きたら、今日の占いをチェックして、通勤中はラインでスタンプを送り、なんとなくニュースアプリもみて…。一見すると情報にあふれていますが、内実はほとんど記憶に残っていません。

 皆さんは社会に対してどんな夢を持っていますか? 人生100年時代とは生まれてくる子どもが100歳になったときにどんな人になってほしいかを考えなければなりません。夢は社会を動かす原動力です。車が空を飛ぶことだってバカにしてはいけません。夢とはみんなが願えばかなうものなのです。

 今の社会を考えるとそれぞれの人が自分のことに精いっぱいでなかなか他人のことまで考える余裕がないように思えます。一番良くないことは社会どころか自分にも無関心な人が多いということです。社会が悪くなっているのは誰かのせいではなく、自分で判断し行動しないからです。

 スマホに「OK グーグル! 今日のオススメのコーディネートは?」と聞けば教えてくれます。果たしてこれは自分で生きていると言えるのでしょうか。今こそ生きるための教育が必要ではないでしょうか。

 上野村に「かじかの里学園」という山村留学施設があります。普段は上野村の小中学校に通い、全寮生活を行います。全寮制なので自分のことはご飯も、洗濯も自分でしなければなりません。しかもゲーム機は当然として、携帯電話も持ち込み禁止、テレビも自由に見ることができません。

 ここの子どもたちは実に個性豊かに育っています。私も体験合宿の手伝いをしたことがあります。ルールは「死なないように自分で考え行動すること」のみ。最初は戸惑っていた子どもたちも次第に自ら進んで動きだします。真に経験に勝る情報はありません。

 SDGs(持続可能な開発目標)の達成を始め、これから社会をどうすべきか行動が問われていますが、ヒントは身近なところにあるものです。



エムラボ社長 三枝孝裕 上野村新羽

 【略歴】群馬大工学部卒業後、研究職や非常勤講師などを務め、2011年に上野村に移住。村産業情報センターなどを経て、同社を起業した。栃木県佐野市出身。

2019/11/14掲載

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