なるほど!白内障手術 自分に最適なレンズを
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 「もしかして私、白内障でしょうか? 知り合いが白内障手術を受けましたが、自分もかすんで見づらいので…」とたくさんの方が眼科を受診されます。

 治療法は「水晶体再建術」という手術ですが、インターネット等で検索すると、手術方法や手術の際に使用する眼内レンズについて、さまざまな情報があふれていて、戸惑い悩まれる方も少なくありません。

 白内障とは、目の中の水晶体(レンズ)が濁り、そのために光が目の中に入りにくく、視力の低下やかすみが起こる病気です。加齢や糖尿病などの疾患、ステロイド治療薬などが原因で生じます。進行すると視力が低下して日常生活や車の運転に支障を来します。

 手術により、濁った水晶体を取り除いて、代わりに人工の眼内レンズを移植することで、視力やかすみの改善が期待できます。

 通常の保険診療で使用可能な眼内レンズは「単焦点レンズ」というものです。保険が利用可能ですので、手術費用は1割負担の方で片目約1万5千円程度です。

 一方、「多焦点レンズ」とは、遠近両用メガネのように遠くと近くの両方にピントが合うレンズのことをいいます。自由診療になりますので、費用は手術施設に異なり、片目約50万円~70万円程度です。多焦点レンズにはさまざまな種類があり、一部のレンズは先進医療の対象となります。

 人それぞれ、適した眼内レンズは異なります。どちらもメリット、デメリットがありますので、自分のライフスタイルや職業、車の運転の有無などによって選択します。

 単焦点レンズはある1点にピントが合うレンズです。そのため、最も見たい距離にピントが合う度数のレンズを移植します。遠くにピントを合わせた場合、手元を見る時にメガネが必要になり、室内など近い距離にピントを合わせた場合には、運転の際にメガネが必要になります。

 多焦点レンズは遠くと近くの両方にピントが合うため、メガネの使用頻度を減らせます。しかし、単焦点レンズにくらべて劣っている点もあるので、注意が必要です。多焦点レンズは1枚の眼内レンズの中に遠くが見える部分と近くが見える部分があるので、目に入ってきた光が分散されてコントラスト(明暗や濃淡などがくっきり見える)が低下してしまいます。

 多焦点レンズを移植したけれども希望の見え方にならず、再手術で単焦点レンズに入れ替えるケースもまれにあります。

 同じ白内障でも程度や症状は人それぞれ異なります。眼科での精密検査の結果と、患者さんのご希望を合わせて、どの眼内レンズが適しているのか、主治医とよく相談することが極めて大切です。



眼科医 板倉宏高 前橋市

 【略歴】2018年に前橋ミナミ眼科開院。一人一人に合ったカスタムメイド医療を提供。元群馬大非常勤講師、前橋赤十字病院眼科部長。東京都出身。同大医学部卒。

2019/11/16掲載

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