「早く知りたかった」 親業で笑顔を広げたい
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 皆さんは、「親業・ゴードンメソッド」という言葉を聞いたことがありますか?

 ゴードンメソッドとは、今から50年ほど前にアメリカのトマス・ゴードン博士によって始められた親のためのコミュニケーショントレーニングプログラムです。臨床心理学・発達心理学・教育学などの研究成果を基礎としています。親子関係を豊かに、温かく健全なものにし、子どもの健やかな成長を実現するために作られました。

 私は今から三十数年前、親業の本と出合っていました。職場の先輩に勧められて買ったのです。しかし、目の前にある仕事と双子の育児に追われて、読みませんでした。痛恨の極みです。

 定年退職後に本棚の整理をしている時、親業の本と再会を果たしました。今度こそ読みました。私はすっかり魅了され、「もっと知りたい・もっと学びたい」との思いに駆られ、親業訓練一般講座を東京で受けました。8時間×3日連続という「親業」づけの時間を過ごしました。

 「目からうろこ」とはこのことでした。一つ目の驚きは、親としてよかれと思ってしてきたことが、実は、場合によっては、子どもの自立を阻む対応だったと知ったことです。

 子どもが困っている時に親のすることは、アドバイスではなく、「聞くこと」だったのです。「子どもが悩みの白いボール(サイン)を投げてきたら、親も白いボールを返す」という聞き方です。これを「能動的な聞き方」と言います。

 二つ目の驚きは、子どもの行動を「嫌だ・変えてほしい」と思った時に、「やめなさい!」「~しなさい!」に代わる心に届く伝え方があったことです。「わたしメッセージ」と言います。

 三つ目の驚きは、親と子の欲求が対立した時、親が勝つか子が勝つかで争うのではなく、どちらも負けない互いに満足できる解決法があると知ったことです。「勝負なし法(第三法)」と言います。

 この驚きは、やがて、「自分だけの学びにせず、子育てや人間関係で悩む人にこのスキルを伝えたい」という思いに発展し、一念発起。インストラクターになりました。

 講座では、ゴードンメソッドのスキルを日常生活の中で使えるよう、ロールプレイなどの体験やグループディスカッションを多く取り入れています。

 講演会等でよく耳にするのは「もっと早く知りたかった」という言葉です。この言葉を聞くたびに、少しでも早く、一人でも多くの方にゴードンメソッドをお届けしたいという思いでいっぱいになります。

 1年間、ゴードンメソッドをご紹介できることになりました。温かい親子関係・人間関係の築き方について事例を交えてお伝えします。笑顔の方が増えることを願って。



親業訓練インストラクター 小柴孝子 高崎市中尾町

 【略歴】高崎市教育センター所長や小学校長を歴任。2015年に退職後、親業訓練インストラクターとしてセミナーを行う。同市子育てなんでもセンター教育相談員。

2019/11/19掲載

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