地域を知り、誇る 学びませんか、藤岡学
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 群馬学、前橋学、高崎学、富岡学、安中学など県内には多くの地域学が存在している。そのほとんどが自治体主催である。前橋学のように市民学芸員を養成している所、高崎学のように検定制度を導入している所など、その在り方は多様である。

 地域の歴史・文化を学ぶことにより人材の育成を図る自治体主催の地域学は、まちづくり・地方創生事業の一環として位置付けられており、自治体主導による市民参加型のまちづくりという側面が強い。生涯学習・観光振興という点からも、自治体主催の地域学は意味があるといえる。

 私は2019年2月に藤岡学研究会を結成し、藤岡学と銘打つ地域学の勉強会を始めた。私が藤岡学を主宰しようと思った理由は、藤岡市の魅力をより多くの人に理解してもらうと同時に、群馬における藤岡の歴史的位置を知ってもらい、歴史と地域文化を守り、それを次世代につなげる基盤をつくり、より多くの市民に藤岡に誇りを持ってほしいと考えたからである。

 藤岡学は、市民が主宰する地域学という点が大きな特徴である。学びたい人が自主的に集まって、地域について学び、議論し、高め合うことで、市民の意識を高め、地域の価値を見直し、広めていく。そして郷土を愛する心を育て、まちづくり、地域振興、教育・文化の向上に貢献する。これこそ藤岡学の目的である。

 藤岡には七輿山(ななこしやま)古墳、白石稲荷山古墳、高山社跡などの重要な遺跡・遺物が豊富にある。各時代の主な史的トピックを挙げると、古代では、多胡碑に記された緑野郡、古代東国仏教の要・緑野寺と道忠教団、中世では、東国の拠点となった平井城、近世では、絹の町・藤岡、近現代では、高山社の発展・展開、秩父事件での藤岡の役割などがある。

 この他にも藤岡は歴史研究の題材には事欠かない。上杉憲実、菊川英山、高山長五郎、堀越二郎といった藤岡と縁のある人物も数多い。

 群馬の歴史を語るとき、藤岡は最重要パーツの一つであると思う。研究を進めることで藤岡の歴史的存在意義を再認識し、遺跡・遺物・遺構・歴史史料を保護・保全しようとする意識が高まり、歴史文化を誇れる市になってほしい。

 藤岡学は19年だけで計4回の勉強会を開催した。現在は、講演会という形の勉強会を開いている。今後は、自ら藤岡のことを調べ、それを会員が発表して、議論するという形式や実地研究なども導入したいと考えている。

 一方、市行政との連携強化、他の地域学やまちづくり団体との交流、学術雑誌の刊行などは今後の課題である。

 藤岡学は市民中心の勉強会であるため、支えてくれる人々の存在が欠かせない。研究会は、万人に開かれているので、誰でも自由に気楽に参加してほしい。われわれと共に、藤岡について学びませんか。



藤岡学研究会代表 塩出環 藤岡市三本木

 【略歴】2019年に同会を発足。行政書士。高校非常勤講師。元同志社大人文科学研究所研究員。専門は日本近現代史。神戸大大学院博士課程修了。博士(学術)。

2019/11/21掲載

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