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来日当初はささいなことに驚く日々が多かった。公衆トイレの音姫、無償のビニール袋等。そして犬の飼い方の違い。庭に犬小屋があり、鎖につながれている犬。またはつながれてこそはいないが、庭で飼われている犬。初めて見た時はただ驚いたが、その後これが珍しくない光景だと分かった時は心が痛んだ。
どこに驚くのかと思う人もいるだろう。ドイツでは外飼いの犬は非常に少なく、つながれている犬なんてほとんど見つからない。犬は人間と一緒に家の中で暮らすのが常識だからだ。「家族だから」。それも理由の一つには違いないが、日本でも犬を家族として見ている人は多いはず。
外飼いだが、犬は家族と考えていると言う飼い主数人に外飼いの理由を聞くことができた。汚いから。家を汚すから。毛が落ちるから。番犬だから。昔から犬は外と決まっているから。
どれも人間都合の勝手な理由だった。犬の性質や幸せには一つも触れていなかった。
最後の「犬は昔から外と決まっている」は、もはや理由にもなっていない。面白いことにドイツでは逆に犬は基本室内で飼うべきだという法律がある。やむなく外で飼う場合は明確な、細かい規定があり、日本で見るような1メートルあるかないかの短い鎖につなぐことは当然法律違反だ。
法律の基本となっているのは「飼い主は犬の精神および肉体的な要求をみたさなければいけない」という部分だ。そう、犬の最低限の幸せを守るための、犬の性質をもとに作られた常識的かつ論理的な法律なのだ。
例えば麻薬犬としても活躍するほどの嗅覚の持ち主の犬を鎖につなぎ、用を足した同じ場所で寝ることや飲み食いを強いることは道徳的か? 犬はとてもきれい好きだから散歩に連れ出してもらえるまで実は何時間も、体の限界までトイレを我慢していることも多い。それも毎日。明らかに精神的および身体的な苦痛ではないか?
毛皮を着ている犬を30度を超える暑さに何カ月もさらすのは? 冬の寒さはどうか?虫刺されによるかゆみは? ドイツの犬は法律でこういった苦痛から守られている。
そしてドイツで室内飼いが必須とされる一番の理由は実は犬がいろんな動物の中でも非常に社会的な生き物であり、「群れで生きる動物」であるからだ。庭で孤立した、愛する人間との接触を奪う飼い方は虐待になるのだ。
犬は人の側で生活することを喜びに感じ、隔離されることで苦しむのだ。犬の性質を分かった上で、日本では法律違反ではないからと言って今後も外で飼っていいものか、犬の立場になって一度考えてほしい。法律で守られていないからこそ飼い主にかかるのだ。家族として迎え入れた尊い命、ぜひ一つ屋根の下で幸せにしてあげてほしい。