馬が教えてくれたこと 共生もたらす敬意と愛
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 いつの時代も平和の根源となる「共生」は大切なテーマであると考えています。

 共生が人類の垣根を越えて地球規模で真剣に考えなければいけないと誰もが感じている時代です。地球との共生、動物との共生、多様な人との共生。さまざまなテーマが存在しますが、今回は自身の経験をもとに、動物との関わりからみる共生を考えたいと思います。

 私は幼少から馬術を通じて馬と触れ合ってきました。

 そこには服従関係ではない、お互いの「個性」に対して真剣に向き合い、生活を共にする関係性が作られていたと今、ふと感じます。

 命令-服従の関係とは異なる、愛情、敬意、威厳から成る「信頼」によって心を通じ合える存在、それが私にとっての馬であり、動物という存在でした。

 馬は人間と同様に情緒水準が高く、人間の表情や感情を読むことのできる動物と言われています。5500万年以上も前から群れで行動し、群れを維持するために人間社会で例える受容や共感といった要素が尊重されてきたからです。馬は人間と同様に社会を編成し、厳しい上下関係も存在しているように思います。

 ある時、引退したばかりの競走馬と出合いました。高校生だった私が担当を任され、他の馬よりも繊細で気難しい牝馬の心を開こうと試行錯誤の日々を過ごしました。はじめは声をかけても見向きもせず背中に乗せてもくれなかった彼女が、5年の歳月を経て私の声に反応し、練習では人馬一体となる感覚を教えてくれました。

 この経験で、信頼関係を築くまでの心の変化と信頼を結ぶために大切なことを学ばせてもらいました。ここでの学びは、私が人と関わる上で大切にしていることの一つです。

 現在携わっている仕事や教育の現場でもこの経験は生かされています。名前を呼んであげること、子どもたちの身の丈に合う目線で話をすること、表情の変化に気が付くこと、そして話を聞いてあげること。これらを積み重ねることで相手の個性に少しずつ触れることができます。

 これは、私たち大人にも当てはまることではないでしょうか。そしてこの基本を大切に、その上に積み上げていくことで、いつか実を結ぶのだと信じています。

 相手への敬意と愛を持って接する―。それがたとえ植物であっても動物であっても、子どもであっても、命あるものはすべてその対象であると、私が馬との関わりで学んだ教えです。

 この世界はさまざまな「視点」で成り立っています。今回、自身の視点を言語化し、表現する機会をいただきました。私の視点が世界の新たな可能性や、皆さまの「気付き」に寄与することができたらうれしいです。



ソウワ・ディライト広報室室長 柴田美里 高崎市飯塚町

 【略歴】電気工事や地方創生活動を展開する同社で広報室長を務める。サイボウズ経営塾メンバー。2018ミスワイン日本大会グランプリ。共愛学園前橋国際大卒。

2019/12/29掲載

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