「選ばれる」ために グローバル化、直視を
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 国境を越え、グローバルに広がる商品やサービス市場では、陳腐化と短命化が加速度的に進むため、他との違いや新たな価値を生み出せる「人」「組織」、そして「地域」に優位性がシフトしている。

 国籍や人種、ジェンダーなどに関係なく、日本人も含めたグローバル人材たちは、ボーダーレスなグローバルフィールドの労働市場の中で、「選ばれる」だけの魅力を兼ね備えた組織、そして活躍できる地域を探している。

 だが、彼らのような多様な能力や価値観を持ったグローバル人材は「日本の企業は魅力がない」と口にする。

 日本がグローバル変革するためには課題が三つある。①日本の中小企業の内なるグローバル化の遅れ②世界で活躍できる発想力や行動力を備えたグローバル人材育成の遅れ③グローバル経営を促進する人事の遅れ―である。

 早急に組織や地域が、グローバル化対応能力や異文化対応能力を上げ、グローバルフィールドで活躍できる人材育成の課題に向き合い、解決方法を磨いていかなければ、日本は世界からさらに後れを取ってしまう。その大きなグローバル化の転換期を迎える準備をしているだろうか。

 今までの日本の企業は、予定調和的な関係を重んじ、同じ発想や同じ行動をする人たちを良しとしてきた。失敗や変化を恐れるあまり、出る杭(くい)にならないように、人の目ばかりを気にするようでは新しい価値など生まれない。

 海外のように、国籍や人種、宗教など関係なく、自分の考え方や価値観と違う人たちを受け入れることから始め、お互いの立場をフラットにし、ディスカッションを重ね、多様性の中から人材づくり、体制づくりが急務である。

 生産年齢人口減少に歯止めがかからないことを受け、日本政府は国外から労働力を補おうと、関係団体、業界等と連携してさまざまな政策を打ち出している。EPAや技能実習制度、外国人留学生の日本での就職支援、さらに新たな在留資格「特定技能」などである。

 先日県庁で行われた「外国人の新たな共生社会推進会議」に委員として出席した。座長の山本一太知事や委員たちと共に、しっかりと地域に根ざす未来の群馬の共生社会づくりについて、初めて議論を交わした。昨年県が行った調査によると、県内の50%近くの企業はまだ外国人材を採用したことが一度もないという。まだまだ少ない。

 このテーマは外国人材だけの話ではない。企業、そして地域がグローバル化に向き合うことで、海外経験や多様なスキルを持つ日本人も、地方都市の企業や地域で活躍できていない現状を打開できる。

 グローバル化について、地域で考える機会を増やしていきたい。



グローリーハイグレイス社長 相京恵 高崎市白銀町

 【略歴】2004年に同社を設立。高崎市でレストランや英語による学童保育、インバウンド事業を運営する。外国人スタッフの雇用にも積極的に取り組む。同市出身。

2020/1/3掲載

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