「成績下がっちゃった」 能動的な聞き方が大切
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 皆さんは、子どもが「成績下がっちゃった…」と、悩みのサインを送ってきたら、どう対応しますか?

 「ゲームばっかりしていたからでしょ」という非難。「次からはしっかり勉強しなさい!」という指示・命令等々。どれもみな、親の意見・考えをぶつけています。こういった親が言いがちな言葉を、ゴードンメソッドでは「コミュニケーションをはばむお決まりの12の型」と呼んでいます。

 講演会や講座では、参加者が子ども役、私が親役となってロール・プレイ(役割演技)をします。12の言い方をされた人は「すごく嫌だった」「分かってもらえなくて悲しかった」「話さなければよかった」等の感想を口にします。

 そうは言いながらも、親として12の言い方をしている自分に気付き、愕然がくぜんとします。でも、この気付きは、12の言い方をやめようと決意する強い原動力になります。

 悩んでいる子どもは、何よりもまず、自分の悲しい気持ち・つらい気持ちを訴えたいのです。親に自分の気持ちを分かってほしいのです。

 子どもが悩んでいる時に、親のすることは「アドバイス」ではなく「聞くこと」なのだとゴードン博士は言っています。「子どもが、悩みの白いボール(サイン)を投げてきたら、親も白いボールを返す」という聞き方です。これを「能動的な聞き方」と呼んでいます。親の意見や考えを入れずに白いままで返します。

 方法としては「繰り返す・言い換える・気持ちをくむ」の三つがあります。前出のサインの場合は、子どもの様子を見て、がっかりしているようなら「成績下がっちゃって、がっかりしているのね」のように子どもの気持ちをくんで返します。

 能動的な聞き方をした親業訓練一般講座の受講生からは「怒ることが減った」「子どもが自分の気持ちを話すようになった」等の感想が聞かれます。自分の気持ちをぶつけないで相手を理解しようとする聞き方だからなのでしょう。

 子どもは「否定されずに、ありのままの自分を受け入れてもらえた」「分かってもらえた」という思いを持ち、心を安定させるのではないでしょうか。

 また、子どもは、話しているうちに自分の気持ちを整理し、「そうだ、そんな気持ちなのだ」と自分の心を理解していくのでしょう。

 このことが、子どもに考える力を付けたり「親は、安心して何でも話せる存在」となったりして、親子の間に相互理解と共感の絆がつくられていくと考えられます。

 能動的な聞き方のよさを少しでも多くの方にお伝えし、互いを尊重し合える幸せな親子・家庭・学校・社会を、みんなでつくっていきたいと切に願っています。



親業訓練インストラクター 小柴孝子 高崎市

 【略歴】高崎市教育センター所長や小学校長を歴任。2015年に退職後、親業訓練インストラクターとしてセミナーを行う。同市子育てなんでもセンター教育相談員。

2020/01/15掲載

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