公共施設の管理計画 「あり方」に目を向けて
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 皆さんは、「公共施設等総合管理計画」をご存じでしょうか。2014年3月に総務省が、全国の自治体に対して、策定要請を行ったものです。県内においても県と全35市町村で策定され、それぞれのホームページや広報紙等で公表されています。

 しかし、周知されているとは言い難いようです。

 この計画では、自治体ごとに目標が二大別されています。一つは、所有床面積の縮減化を、もう一つは、既存建物の長寿命化を目指しているものです。

 縮減化を図るとしている計画では、類似施設の統合化や一つの施設で多目的な利用を目的とした複合化が掲げられています。

 また、長寿命化を図るとした計画では、建物躯体(くたい)の寿命は、公共施設の中で、最も多い構造の鉄筋コンクリート造りであれば、一般的には80年と言われていることから、多くの計画では、一定年数ごとに大規模な改修を実施し、建物をより長く使い続けることとしています。

 二つの方向性を実現することは、既存施設利用者の施設への愛着性や昨今の地方財政を見据えると困難を伴うものですが、目標を達成しないと公共施設等を維持管理しきれない事態に直面しかねません。

 この「管理計画」に記載されている事項は①公共施設等の現状や将来の見通し②公共施設等の総合的かつ計画的な管理に関する基本的な方針③施設類型別ごとの管理に関する基本的な方針④施設の老朽化や利用状況を含めた公共施設の状況⑤総人口や年齢別人口の今後の見通し⑥計画の期間は少なくとも10年以上⑦全庁的な取り組み体制⑧公共施設等の維持管理上の中長期的な費用の予測⑨現状の課題に関する基本的事項⑩公共施設等の管理に関する基本的な考え方およびフォローアップの実施方針や対策―などとなっています。

 皆さんもお住まいの自治体におけるホームページ等をご覧になり、ご自分が利用されている公共施設等の現状や経費について、確認してみたらいかがでしょうか。

 さて、「管理計画」においては、総論的な記載がされていますが、個々の施設については、「個別施設計画」を策定することとされています。各施設所管省庁は、「個別施設計画」を20年度末までに策定するよう自治体宛てに通知しているところです。

 しかし、多くの自治体では、策定に苦慮しているようです。そのことから、各論になると、何から手を付けて良いのか分からない状況がうかがえます。

 公共施設等のあり方については、皆さんの意見を反映するものでなければならないはずですから、各自治体で策定中の「個別施設計画」について、関心をお持ちください。



県建設技術センターFM室長 高橋康夫 前橋市岩神町

 【略歴】2015年から現職。地方自治体の施設マネジメント支援、技術支援に携わる。1級建築士。元前橋市建築住宅課長。前橋工業高―足利工業大(現足利大)卒。

2020/2/22掲載

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事