環境変化とアレルギー 生活見直しと理解を
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 私たちを取り巻く生活環境は化学物質の恩恵を受ける中で、両親の子どもの頃、私たちの子どもの頃、そして、今の子どもたちと、世代ごとに大きく変化をしてきました。生活は便利になり、衛生的になり、かつ食生活は質・量ともに満たされ、医療進歩のおかげで寿命も延びるなど衣食住のスタイル、生活行動スタイルは大きく変わりました。

 例えば、住まいは、高気密高機能住宅化が進み、各家庭が手に入れやすい住宅が増える中、建材も化学物質が含まれるものが主流となり、住宅環境の「空気」も意識し正しく管理しなければならなくなりました。衣類も夏は放熱するもの、冬は発熱して軽く肌触りが良いものなどの高機能な石油製品の物も多く作られました。食品環境も核家族化や一人での食事が進む中、レトルト食品や冷凍食品が流通する半面、家庭のキッチンには置かれていない調味料が添加物として含まれ、新たな知識も必要です。また、生活地域では、自動車保有台数の増加に伴い交通量と排気ガス量が増加、近隣諸国の近代化と共に海を越えてPM2・5が渡ってくることなどに悩まされてもいます。

 こうした変化の中で環境由来といえる健康影響、アレルギーなどは増え続けています。現在、日本において2人に1人は何らかのアレルギーに罹患(りかん)していると言われています。

 アレルギーや化学物質過敏症、シックハウス症候群に罹患した人やその家族はそれぞれの問題に直面し、改善を図ろうとしています。その上で周囲の理解と協力が必要になってきます。

 例えば、食物アレルギーの児童等も増えていることから、保育所や幼稚園・学校では周りの人が協力、配慮するような取り組みが徐々に増えています。お母さんネットワークは食物アレルギーの啓蒙(けいもう)紙芝居や絵本の読み聞かせ活動をしたりしています。

 また、災害時に、避難所などで普段の生活以上に肉体的にも精神的にも負担が強いられる生活の中で、アレルギーに罹患した人への周囲の支え、協力も必要となります。救援物資が、大勢の方にとっては命をつなぐ大切な食料であることは言うまでもありません。しかし、重篤な小麦アレルギーを持っているお子さんだとしたら、たった一つの乾パンが命を脅かすかもしれないのです。行政もアレルギー対応食の備蓄を始めていますが、当然のことながら全てではありません。配給するときの仕組み、親とはぐれてしまった幼い子がアレルギーを持っているか否かを確認できる配慮が求められます。

 今後、私たちは、衣食住の生活・環境の見直しを図りつつ、健康影響を受けている人を理解し、ともに協力しながら、暮らしやすい環境をつくり上げていくことが必要でしょう。



環境アレルギーアドバイザー支援ネットワーク群馬代表 塩田忠則 高崎市倉賀野町

 【略歴】寝具などのクリーニングを手掛ける愛幸(高崎市)の2代目社長。全国組織「環境アレルギーアドバイザー支援ネットワーク支部会」会長。流通経済大卒。

2017/12/08掲載

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