笑いとSDGsと未来 自分ごと化で主役に
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 アルファベット4文字「SDGs」をご存じでしょうか。エスディージーズと読み、どこよりもざっくりと説明すると「もうこのままだと地球はもちません。だから先進国も途上国も、国籍も性別も宗教も貧富の差も、全部関係なく『地球を未来へつなげる』という一点において手を結びましょう」となります。

 SDGsは17の目標を掲げ、2030年までに僕たちが進むべき方向を示したものです。これまで2回書いたように、SDGsもお笑いと一緒で、汎用性・万能性に秀でた設計がゆえに、あらゆる点と点の接着剤としての働きが期待できます。

 人やモノがインターネットを介してつながり、世界が近くなったことで、問題が複雑化・多様化して入り組んだものとなりました。環境の問題を解決しようにも、経済を抜きに現実は語れないし、社会を無視して決断は下せません。そんな現代に羅針盤のようにあるべき姿、向かうべき方向を示したのがSDGsです。

 それは、「もう世の中、複雑にからまり過ぎて、具体的には指示できないから、おのおので頑張って考えてよ」ってことなんだと思います。上から明確な指示を出さない代わりに、大いなる目標に向かって、個々の自発的な行動に期待するのです。

 キーワードの「誰一人取り残さない」は、「誰一人として意味のない人なんかいなくて、全員が当事者で、全員がそれぞれに主役だ」と言い換えることができるんじゃないでしょうか。

 心打たれたヨーロッパのある動画があります。2セント(200円ほど)でTシャツが1枚買えてしまう自販機を、街の広場に置きました。するとその安さに人が面白がって寄ってきます。しかし、自販機には一つの仕掛けがあって、Tシャツを買おうと2セントを入れると、1本の動画を見させられます。

 2セントのTシャツを作るのに、発展途上国で、どのくらいの人たちが、いくらの賃金で、1日何時間働いて作られたものかを教える動画です。見た人は表情を変え、皆が“買う”ではなく、“寄付”のボタンを選びます。「人は知ってしまったら、必ず、気にかけるいきものだ」、それがこの動画のメッセージです。

 SDGsが“共通言語”となり、前向きな活動を“接着剤”的につなぎ、一人一人が“自分ごと化”して努力すれば、楽しくて優しい社会を実現できるのではと。

 正直、自分にも2人の小さい娘がいて、2人が仲良くパプリカを踊っているのを見ていると、今この瞬間があれば、こんな難しいことはどうでもいいんじゃないかと思ったりします。でもここも世界とはつながっていて、この子たちの未来を、いま予想される未来より、少しでも良い方向に進めてあげたいとも思うんです。



群馬住みます芸人アンカンミンカン 富所哲平 みどり市大間々町大間々

 【略歴】2007年に川島大輔さんとお笑いコンビ「アンカンミンカン」を結成。11年からみどり市観光大使、12年からぐんま特使。吉本興業所属。千葉大卒。

2020/4/9掲載

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