今日のお昼は? 「心の栄養補給」忘れず
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 スーパーや流通のデータを分析する株式会社KSP-SPの調査によると、4月7日の1都4県緊急事態宣言を受けて、4月第1週は全国食品スーパーの加工品販売が前年に比べ20%増えたとのこと。

 3月までは米やカップ麺が売れたようですが、現在はホットケーキミックスやお好み焼き粉のようなプレミックスを筆頭にスパゲティ、小麦粉、個包装の餅、グラタンなどに使われるソースミックスと続きます。

 休校や在宅勤務が長期戦を迎え、大人も子どもも部屋で楽しめるお菓子作りや料理に力を入れていると考えられます。

 地域社会に目を向けると、野菜の需要とともに農家さんや直売所の存在感が増す半面、不要不急の外出自粛によって地元の飲食店が悲鳴を上げています。テークアウト・デリバリーを始めたお店は数知れず、私の大好きなお店もついに店内飲食がなくなってしまいました。

 個人活動として農業カメラマンを始めてから地域とのつながりはとても大きかったので、農家さんとの触れ合いや街の方、お店との接点を失うことは本当に寂しいです。

 テレワークとは、ICTを活用して時間や場所の制約を受けずに働くことですが、私が勤める農業関連会社では在宅勤務が難しい方も多いです。

 春は野菜の種をまき、苗を植える時期。農産物はすぐに育たないので、生産者はこのような時期でも手を動かさねばなりません。

 会社ではそういった日本の食を担う農家さんを支える仕事をしています。出社している社員には、お昼時間の外出もはばかられ、カップ麺や冷凍食品で済ます人も少なくありません。

 買いだめできる保存食はとても便利な一方で、栄養素に欠ける点が心配です。「自分に何かできることがあるだろうか」

 そこで考えたのが、公私ともにお世話になっているお店や生産者さんと会社敷地内にキッチンカーを呼ぶイベント。生産者、飲食店、企業が一丸となれば、「心の栄養補給」が生まれます。会社の種で育った新鮮野菜をたっぷり使い、免疫力がアップするメニューを考えました。

 社員は外出せずにおいしいランチを食べることができるし、生産者の皆さんとのつながりも維持できます。十分な衛生管理を行い、人数制限や受取時間の工夫をしました。近隣の企業にも声を掛け、予約注文を行うことで100食を超える販売となりました。

 ほんの数カ月前まで当たり前だった小さな楽しみは、今大きな幸せになります。見えないおばけに負けず、笑顔と地域経済の循環を今後も重ねていきたいです。活動写真はインスタグラム(@amino_fumie)で見ることができます。



農業カメラマン 網野文絵 高崎市

 【略歴】大学で写真を始め、カネコ種苗(前橋市)に就職。広報部門で現場へ撮影に出向き、個人でも農業カメラマンとして県内外で個展や写真教室を開催。山梨県出身。

2020/04/28掲載

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