今からのメッセージ 未来開く行動問われる
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 今のこの状況が続く中、いろいろなことを思い、感じる時間として受け止める。不思議と心が穏やかで、とても必要な時間と向き合って生きている気がする。目を閉じると最高最善のイメージが浮かんでくる。頭の中が無限大に自由になり、優しい時間に包まれる。私だけの大切な時間。そんなリラックスをステイホームで楽しんでいる私が、今思うことを書いてみた。

 新型コロナウイルスは3.11と通ずるところがある。全く何の関連もなさそうな気がするけど、心の中を開けてもっと掘り下げていくと、何か大事な部分でつながっているような気がしてならない。

 世代、時代ではやりがあっても、どの時代も必ず何か共通していることがあると強く感じる。それは難しいことではなくて、すごくシンプルなこと。きっと「思いやる気持ち」なんだと思う。人はいつからだか、人間のエゴに対して収拾がつかなくなっているような気がする。また、自分の人生を自分の道で生きられていないことが多く存在していると感じる。

 震災や災害といった被害がいつどこで何があるか分からない…。そんなことを近年で強く感じさせたひとつの出来事が東日本大震災だった。その後もさまざまな災害が各地で発生し、自然の力には逆らえないことを再認識しながらもそれぞれ何かを思い、感じることが多々あったと思う。

 だけど、今回はウイルスという目に見えないモノとの戦い。最悪の事態を招くと死に至るほどのこのウイルスがここまで日常を奪っていくものなのかという信じられない現実がある。何かの映画のストーリーに似ているような事態が起こっている気がして-。

 状況は違うけど、どこかあの時と重なる部分がある。私たちが原発事故で放射能という目に見えない恐ろしいモノにより、あの日まで住んでいた故郷を失ったあの時。長い時を経て「警戒区域解除」となり、いくら復興へ向かっても、“探す元の未来”はもう二度と戻ることはない。

 緊急事態宣言が発令され、日常が奪われることで人々は何を感じるべきなのだろうか。私たちは問われている。奪い合うことではなく、尊重し合うような、一人一人への、人々への愛情がどんどん薄れていく気がして、私はそれが怖い。われが先ではない、お先にどうぞと、できないのだろうか。「たった一人がたった一人のために」ができたらどんな未来が待っているのだろうか…。

 「このままじゃダメだ」というメッセージに聞こえる。それでも傷つけたり、それすら何事もなかったことにする世の中だ。どうか自分の心へは素直に、自分へは正直に、どうか真実だけは残る世の中であってほしい。今この時をメッセージと解いたら少しでも未来が明るいのではないかと、私は今日も目を閉じる。



シンガー・ソングライター 牛来美佳 太田市

 【略歴】福島県浪江町で育ち、東日本大震災発生時は福島第1原発で働く。多くの命やモノが失われ、「想いを伝え続けたい」とシンガー・ソングライターとして活動。

2020/05/24掲載

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