認知症とコロナ考 知らないこと恐れるな
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 

 依然として僕たちの生活を脅かす新型コロナウイルス。これに打ち勝つには、結局のところ人とのつながり、日々の積み重ね、そして学び続けることなんじゃないか―。この仮説について、認知症と地域の未来の観点から話していきたいと思います。

 介護の現場で働く皆さんは今、大変な緊張感の中で仕事をされています。ご縁があった介護業界の方たちと、数年前から「群馬の介護をより良いものに」と活動を共にし、認知症についても学んできました。

 近い未来に、より深刻な社会問題となって表れる認知症。逆に言うと、認知症をうまく受け入れたコミュニティーを実現することができれば、そこは未来へつないでいける地域となります。いかにして地域の皆さんに認知症という脳の病気を正しく理解してもらい、より身近なこととして自分ごと化してもらうかが重要です。

 司会をさせてもらった、若年性アルツハイマー型認知症と診断された丹野智文さんの講演会の話です。丹野さんは認知症の当事者として、講演活動で全国を飛び回り、認知症の情報発信、認知症の方やそのご家族に勇気を配る活動をしています。そんな丹野さんの話が心に残っています。

 「大事なのは、認知症になってからじゃなくて、なる前。つまり、これまでしっかりご近所付き合いしていれば、『認知症になったっていうから俺たちが支えてやんなきゃ』ってなるのが義理ってやつで、これまでしっかり仕事に励んでいれば、『認知症になったからって全部ができなくなるわけじゃないんだから。できることを探していこう。手伝うからさ』ってなるのが人情だと」

 認知症を受け入れたコミュニティーの達成、それは、認知症どうこうではなくて、一人一人の意識と日々の積み重ねでしかないんだなと納得させられたのを覚えています。また、心配をしつつ信頼をすることができずに、できるかもしれないこと、ないし、できることすら奪ってしまうことで、認知症という病気の先に「依存」という病気が待っているという話も印象的でした。

 地域の未来を考える上で、業界の壁なんて関係なくなってきていて、タテの関係に加えて、ヨコやナナメの交流が増えてきています。そのおかげもあってか、日々、学びがあります。知らないことを知ること、それこそが学びの本質で、そこから生まれる行動や思考が、人としての成長に他なりません。

 コロナを前にして、行政や社会、他者への依存とはなっていませんか。コロナに打ち勝つためには、これまで何を積み重ねてきたのか、これからの人のつながりをどう考えていくのか、成長を諦め学びを止めていないか―。自分も考えていきます。



群馬住みます芸人アンカンミンカン 富所哲平 みどり市大間々町大間々

 【略歴】2007年に川島大輔さんとお笑いコンビ「アンカンミンカン」を結成。11年からみどり市観光大使、12年からぐんま特使。吉本興業所属。千葉大卒。

2020/06/04掲載

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事