子どもの近視 正しく矯正、進行予防
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 近年、子どもの近視が急増し、視力低下の低年齢化が進んでいます。文部科学省が2019年度に実施した調査によると、眼鏡やコンタクトレンズを使わない裸眼視力が「1.0未満」の割合は、小学生34.57%、中学生57.47%、高校生67.64%と過去最高でした。さらに「0.3未満」の小学生の割合は9.38%と年々増加し、1979年度と比べると3倍以上となっています。

 近視とは、近くの物は見えるけれど遠くのものが見えづらい状態です。近視は、遺伝因子と環境因子が複雑に絡んで起こると考えられています。片親が近視の場合は2倍、両親が近視の場合には5倍の確率で子どもも近視になりやすいと言われています。環境要因としては、近くの物やデジタルデバイスを長時間見ること、外遊び減少の関与が示されています。

 近視が進んで遠くが見えにくくなると無意識に目を細めて見るようになります。これはメガネが必要なサインです。近視は成長に伴い進行しますが、メガネを掛けたり外したりしても度が進むことはありません。ただし、合わない度数のメガネを使用すると近視が進んだり、眼精疲労を引き起こしたりします。定期的に眼科専門医を受診して精密検査を受けましょう。

 子どもは目の発達状態も顔のバランスも大人とは異なります。必ず子ども用フレームから選びましょう。子ども用フレームはメガネがずれないように、耳の部分や鼻あてに工夫がしてあります。フィットしていないと耳や鼻が痛くなったり、メガネがずれて正しく矯正されなくなったりします。

 また、子どもは動きが激しく、大人に比べてメガネを乱暴に扱いがちです。フレーム素材は軽くて、型が崩れにくく丈夫なものを、レンズは、プラスチックなど割れにくいものを選びます。現在のメガネレンズはすでにレンズ自体に有害な紫外線をカットする加工が施されています。日常使用するメガネには、過剰なUVコーティングやブルーライトカットは不要です。

 近視の進行予防には、まず「屋外活動をする」「本を読むときは明るいところで姿勢よく」「スマホやゲーム、テレビなどは1日合計1~2時間以内、30分以上続けて見ない」「遠くを見る」など、昔から言われてきたことを実行することが重要です。また、デジタルデバイスを使用する際は画面が明るすぎないように輝度を調節しましょう。

 いったん近視になると、ほぼ治ることはありません。近視の進行を抑える目的で、特殊なコンタクトや目薬の研究が進んでいます。しかし、中には有効性を裏付ける科学的証拠が得られていないものもあり、自費での治療になります。人によって効果が異なり、合併症を起こすこともありますので注意が必要です。



眼科医 板倉宏高 前橋市

 【略歴】2018年に前橋ミナミ眼科開院。一人一人に合ったカスタムメイド医療を提供。元群馬大非常勤講師、前橋赤十字病院眼科部長。東京都出身。同大医学部卒。

2020/8/14掲載

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
関連記事