Go To トラベル 新たな観光の形を模索
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 前回の視点でも紹介した、愛郷ぐんまプロジェクト「泊まって!応援キャンペーン」(6月5日~7月31日)によって県内の温泉地は活気を取り戻しました。利用者は予算限度だった30万人泊に迫る見込みで、四万温泉でも約2万人のお客さまにご利用いただき、宿泊人数の推移は前年比で4月マイナス82%、5月マイナス89%、6月マイナス40%となり、7月も6月以上に回復する見込みです。愛郷ぐんまプロジェクトの効果は一目瞭然です。

 中之条町は町内施設等がお得に利用できる「なかのじょう 周遊チケット」を発行。四万温泉は独自の特典として商店や飲食店、日帰り入浴のお得なクーポンがついた「よってんべぇパスポート」を宿泊いただいたお客さま全員にお付けしました。これらにより、宿泊施設だけでなく、温泉街もにぎわいました。

 お客さまにもご協力いただき、入店前の検温や手指の消毒、マスクの着用など温泉地としての感染症対策も徹底しました。

 県の担当課職員の方が何度も現地に足を運んでくださり、温泉地の状況を親身になってヒアリングしてくれて、愛郷ぐんまキャンペーンの8月以降延長の調整を図っていた直後、「Go To トラベル」の7月22日からの前倒しスタートが決定しました。

 「Go To~」では旅行代金の最大半額が支援対象になります。例えば1泊2万円の旅館に宿泊した場合、旅館で支払う金額は1万3千円(総額の35%なので7千円引き)で、商店などで使える3千円(総額の15%)の地域共通クーポンが付く形になります。この宿泊部分の35%引きが先行スタートしました(地域共通クーポンのスタートは執筆時点では未定です)。

 宿側で用意する書類や、東京を発着とする旅行の除外による本人確認方法も二転三転したため、宿泊施設等の現場は混乱し手探りでのスタートとなりました。新型コロナの感染者数が増えたタイミングでの前倒しスタートになったため、「Go To~」への非難が高まり、そのネガティブな印象が温泉地に拡大しないか不安になりました。

 8月は年間で一番多くのお客さまにお越しいただくトップシーズンですが、現状予約は想定よりも伸びていません。「Go To~」の在り方は賛否があると思います。愛郷ぐんまプロジェクトの教訓を生かし、感染者数の少ない県内の旅行客を対象に少しずつスタートし、隣接する近県の感染者数が落ち着けば徐々に往来を認め拡大していく―。「マイクロツーリズム」で感染拡大防止と社会経済再開の両立を図ることも一つの手段ではないでしょうか。

 ある意味ウィズコロナ時代の新たな観光を模索するための、大きな実験が「Go To トラベル」になるのかもしれません。



四万温泉協会事務局長 宮﨑博行 中之条町四万

 【略歴】広報を担当し、女子旅やヘルスツーリズムの企画を手掛けた。四万温泉がロケ地の映画「まく子」の撮影に協力。2019年4月から事務局長。駿河台大卒。

2020/08/21掲載

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