子宮頸がん予防 ワクチン接種勧めます
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 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行がなかなか収まらない中、世界中でワクチンの開発が盛んに行われています。ワクチンは、細菌やウイルスなどさまざまな病気を引き起こす病原体に対し、あらかじめ体で抵抗する免疫(抗体)を作っておいて、病気にかからなくしたり、かかっても症状を軽くすますために接種します。

 自分が接種することで、身近な人に病気をうつすのを防ぎ、家族から地域、国、世界へと広がり世界中の人々を感染症から守ることができるのです。お金の問題や体が弱くてワクチンを受けられない人たちがいます。その方たちを守るためにも、自分がワクチンを打つことが大切なのです。

 ワクチンによる予防接種で、はしかやポリオのような非常に重い症状や後遺症を残す病気を防ぐことができるようになりました。一方でワクチン接種後に、痛みや赤い腫れ、微熱などの軽い症状や、ごくまれに重篤な副反応を引き起こすことがあります。ワクチンは病原体を弱毒化または不活化して製剤にしているので、副反応をゼロにすることはできません。

 ワクチンのリスクを受け入れながら、命を守っていくのが現代の医療です。万が一のワクチン健康被害に対しては救済制度をしっかり整備することにより、安心してワクチンが受けられます。COVID-19のワクチンも、安全性を高めるようしっかり研究開発してほしいものです。

 7月21日に子宮頸(けい)がん予防のための新しいHPV9価ワクチンが承認されました。現行のワクチンは子宮頸がんの原因となるHPVのうち2種類か4種類の型にしか効かないのに対して、9価ワクチン(シルガード9)は、9種類の型に効果があります。これにより、90%の子宮頸がんを予防することが可能で、このワクチンと検診がしっかり普及すれば、今世紀中に子宮頸がんを撲滅することが可能であると考えられています。

 外陰がん、肛門がん、咽頭がん、尖圭(せんけい)コンジローマに対しても予防効果が期待されています。世界中で高い効果と安全性が確認されており、男性への接種も始まっています。ワクチンの普及により悲しむ人が一人でも減ることを願っています。

 現在、HPVワクチンは安全性も効果も確認されているはずなのに、日本では積極的なお知らせが中止されたままになっており、世界で唯一、取り残されている状況です。そして現に日本では若い女性の子宮頸がんが増えています。世界で日本の女性だけが、子宮を摘出したり、命を落としたりする人がいつまでも減りません。

 小学校6年生から高校1年生までの女子が公費負担の対象です。自治体や、かかりつけの産婦人科または小児科にお問い合わせください!



産科婦人科舘出張佐藤病院院長 佐藤雄一 高崎市竜見町

 【略歴】佐藤病院グループ代表。産婦人科専門医。生殖内分泌や腹腔(ふくくう)鏡手術が専門で、2007年に不妊治療専門施設を高崎市内に設立。順天堂大医学部卒。

2020/09/07掲載

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