親業を伝える使命 相手も、自分も大切に
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 親業訓練インストラクターとしての私の夢は、温かい親子関係を築くためのゴードンメソッドが、多くの家庭で使われるようになること。その中で、自分で考え、判断し、行動できる自立した子ども・協調性のある子どもが育っていくことです。

 そして、この子どもたちが力を合わせ、互いに尊重し合える社会を築いていくことを願っています。

 そのために今、私のできることは、講演会や研修会・体験会等でゴードンメソッドをお伝えすることです。最近の体験会は、家族の絆づくりをテーマにしているせいか親子での参加や講座を学んだ方が夫や妻を誘って参加するケースがあります。「夫婦で同じ理論を基盤にして子育てしたいから」と、講座に参加するご夫婦もいました。

 さらに多くの方々にゴードンメソッドが届けられるようさまざまな方策を考え、実践していくことが、県内唯一のインストラクターである私の使命だと考えています。

 新たな私の目標は「自己実現のための人間関係講座」のインストラクター資格を取得することです。第三の人生を模索していた私にインストラクターへの道を決意させてくれた講座であり、実父との最後の時間を充実したものにしてくれた講座でもあります。

 4年前、この講座の課題で、1週間でかなえる短期目標を父の誕生会をすることと設定しました。父を喜ばせようと考えて過ごした1週間。誕生会での父のスピーチや笑顔が脳裏に焼き付いています。

 ほどなくして父は緊急入院し、3日後に旅立ってしまいました。薄れゆく意識の中で、突然手を振り「さようなら」と言った時、私は「そんなこと言っちゃダメ!」と、強く否定してしまいました。死を認めたくなかったからです。

 しかし、はたと気付きました。今は、ゴードンメソッドの「共感して聞く」時なのだと。だから「お別れを言ったんだね」と、今度こそ受け止めました。すると、父は両手を合わせ、皆に「ありがとう」と言い、最後に「ここにいない人にもよろしく言ってくれ」と言いました。

 父の姿に触発されたように兄妹が感謝の言葉を、私はインストラクターになる決意を伝えました。何よりよかったのは、学びを生かせ、父の言いたかった残りの二つの言葉も受け取れたことです。おかげで、温かく悔いの残らない送りができました。

 私の人生の究極の目標は、自己実現の講座で学んだように「相手も自分も大切にしながら、自分の人生を自分が主役として、いきいきと生きる」ことです。

 今、私は父との約束を果たし、インストラクターとして活動しています。これからも学び続け、研さんを積み、安心・安全な場での講座を提供していけたら幸いです。



親業訓練インストラクター 小柴孝子 高崎市中尾町

 【略歴】高崎市教育センター所長や小学校長を歴任。2015年に退職後、親業訓練インストラクターとしてセミナーを行う。同市子育てなんでもセンター教育相談員。

2020/09/10掲載

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