「大丈夫だよ」 みんなで育ち、育てる
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 私はわが子の通う小学校で昨年度からPTAの本部役員をやらせていただいている。コロナ禍で自粛中にリモート飲み会をした際、前年度の会長が卒業生のためにすてきな提案をしてくれた。楽しいことが大好きな私はすぐに熱が入り、取り組んだ。

 あるクラスの先生が、子どもたち一人一人のことを思って、休校中も毎朝黒板に書いていた小説を保護者が勝手に「かたち」にする、という作業だった。私は卒業生の保護者ではないものの、マーチングボランティアで卒業生と少し関わっていたこともあり、作業に加わらせてもらった。

 2020年3月に卒業した小学校6年生、つまり現在の中学校1年生は、あと少しで卒業式というところで突然休校になり、社会が、大人が、大混乱の中で卒業。どうなるか分からなかった入学式を迎えることができたものの、学校にはなかなか行けず、不安や戸惑いの中、数カ月を過ごしたことだろう。

 そして学校の先生たちもきっと子どもたちと同じように、もしかしたらそれ以上に不安や戸惑い、そして責任、子どもたちへの思い、後悔、無念、いろいろな感情を巡らせ、年度末・年度初めを迎えてくださったことと思う。

 私が今まで学校でじかに子どもたちと関わるのはマーチングの時間。現在、学校での音楽の授業もコロナ禍前と比べて大きく変化した。大きな声で歌わない。心の中で歌う。楽器を吹かない…。もちろんさまざまな考えがある。

 一人じゃなく何人かで、あるいは大勢で音楽することは、音楽技術を高めることだけが目的ではなく、みんなで一緒に一つのことに取り組んだこと、集団の中での自分の役割に手応えを感じるのにとても大切なツール。音楽療法士として仕事をする中で大切にしていることの一つだ。

 毎年、その年その年の6年生に楽器の使い方や吹き方を教える中で、子どもたちにとびっきりすてきなパワーをもらい、私自身が成長させてもらっている気がする。そんな子どもたちと、それを支えてくださっている先生・学校。私たち保護者も一体となって、育ち、育てていきたい―。そんな思いでできたのは1冊の冊子。保護者が勝手に作り、やや自己満足でもあるが、私も少しだけ文章を寄稿させていただいた。

 「今までとは違う社会をみた日々。あなたたちが大人になったら、きっとこの数カ月間のことは教科書に載るくらい、世界にとって大きなことでした。その時代の真っただ中を小学生として送ったこと。いつかきっと人生のステップに使う時がくるでしょう。大きく大きくはばたいてください」

 大人がちゃんと支えるから。大丈夫。みんなみんなみんな、大きくなぁれ。



NPO法人生涯発達ケアセンターさんれんぷ代表 中林亜衣 伊勢崎市茂呂町

 【略歴】認定音楽療法士、相談支援専門員などの資格を持つ。医療的ケア児等コーディネーター、県重症心身障害児者を守る会理事。東邦音楽大音楽療法専攻卒。

2020/09/13掲載

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