コロナ期の宿泊業 「感謝の気持ち」強まる
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 私の仕事はコンサルタント業ではなく、外部社員と言った方が分かりやすいかと思います。旅館さんの売り上げアップのお手伝いなどコンサルタント業と同じ業務もありますが、社長や女将(おかみ)に与えられたミッションをこなしたり、同行セールスをお手伝いしたり、いろいろさせていただいています。独立してまだ1年半ですが皆さまに助けられなんとか頑張っています。

 宿泊業に携わって32年になりますが、新型コロナは東日本大震災を上回る大打撃でした。相次ぐキャンセル、営業自粛、感染を防ぐための受け入れ人数の制限など不安ばかりが大きくなっていました。そんな中「感謝の気持ち」でコロナの厳しい時期を乗り越えられると感じさせられました。

 携わった旅館の方や旅行者から「リピーターのお客さまが少しでも力になりたいと宿泊してくれ、激励のお言葉をいただいた」「30年前に宿泊した思い出の宿がどんな状況か気になって泊まりに来たと言った方がいた」「旅館スタッフの皆が状況をしっかりと理解してくれ、いろいろな形でサポートしてくれて本当に感謝している」などといった話を聞きました。

 多くの人に支えられているという感謝の気持ちが強くなると、もっとお客さまに向き合った対応になります。(1)安全・安心にお泊まりいただくためのコロナ対策見直し(2)お部屋食事への取り組み(3)お料理の内容(4)宿泊プランの見直し(5)より快適にご宿泊いただくためのシステム改善(6)お部屋、レストランなど安全で便利にお使いいただくための改修(7)スタッフの気持ちを一新するために制服を変える―など、各旅館さまがいろいろな形でできる限りの努力、変化をしています。

 では、今まで感謝の気持ちがなかったのか? ということではありません。より一層気持ちが強くなり、感謝の気持ちが力の源となり、より向上していくということではないでしょうか。

 自治体クーポン、ぐんま愛郷プロジェクト、Go To トラベルなどでお客さまも戻りつつあり、バスツアーも少しずつ動いてきましたが、まだまだ観光業や飲食業は苦しい現状にあります。加えて私の心配していることの一つは、旅行の入り口側に当たる予約サイトのことです。

 もちろん全ての会社ではありません。一例として、ご年配のお客さまのお取り扱いが多い会社が地域共通クーポンを電子クーポンにしたところ、聞こえてきたのは「使い方が分からない」「スマホがないのでクーポンがもらえない」などの声でした。せっかくのGo To トラベル、地域共通クーポンですので、もう少し旅行の入り口側もお客さまに向き合ってもらえればもっと利用が増え、観光業の活性化につながるのではないでしょうか。



For smile.代表 木榑信之 沼田市下沼田町

 【略歴】1989年水上館入社。IT販売本部長を経て、松乃井リゾートで企画室長を務める。2019年6月、独立して「For smile.」を立ち上げる。

2020/11/19掲載

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