博学連携 火山学ぶ子らサポート
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 4月から嬬恋郷土資料館に勤務させてもらっている。今年は、コロナ禍のために、券売窓口にもビニールシートの間仕切りを施すことになってしまい、来館されたお客さまとの会話が遮断されがちな年といえるかもしれない。

 10月の日曜日、2人の小学校教員のお客さまが来館された。いずれも窓口に質問いただいたので、ロビーで質問にお答えしつつ、逆に学ばせていただいた。

 1人は、朝9時の開館と同時に入館された静岡県の方で、6年生の理科の教材探しに2度目の来館とのこと。静岡では、防災頭巾を各自が教室に準備する実践がある話を見聞きしていたので、伺ってみると、それはもう当たり前のように定着しているという。その後忙しく静岡まで帰宅されるとのことだった。

 コロナ禍の影響で、修学旅行等の方面検討で、初めて当館を見学コースにされる学校の予約が入るようになってきている。2人目の午後にお見えになった県内の方は、こうした学校に勤務されている先生だった。2人とも、新学習指導要領の理科で教える火山の教材として、浅間山や旧鎌原村の発掘に興味を持たれたようだ。

 過日、地元小学校4年生の社会科の授業で話をさせてもらった。リボンでとじたお礼の手紙を担当の先生が届けてくださったので一部を要約させてもらうことにする。「多いときは年に4、5回資料館に行っています。とくに印象にのこっているのは(出土した)馬の骨です。将来ぼくも資料館で働きたいです。おじいちゃんが言うには、ぼくも鎌原で(噴火から)10代目です」

 このように家族で授業を話題にしてもらえたことに大変感謝している。そして、将来を楽しみにしていますよと、この場を借りて返信させてもらいたい。

 当館では本年度、学校や地域の方々の関連活動を郷土コーナーに結び付けて紹介できるよう、階段脇に壁面展示を準備中である。「東部小4年生の皆さん、皆さんがつくってくれた『天明3年新聞』は、資料館に飾らせてもらうので、準備ができるまでもう少し待っていてくださいね」

 博物館には「博学連携」という学校教育との関わりを役割とする部分がある。博物館と学校とが望ましいかたちで連携・協力し合いながら、子どもたちの教育を押し進めていこうとする取り組みをいう。学校と博物館互いを知ることの大切さを、忙しい中、教材研究に館の展示を活用しようと足を運んでくださる先生方から学ばせていただき、励まされる思いがした。

 人間に恵みとともに災害をもたらすことがあるという自然の二面性について、浅間山をフィールドとして学習してもらえるよう、微力ながらお手伝いがしたいと改めて考えた一日だった。



嬬恋郷土資料館館長 関俊明 東吾妻町箱島


 【略歴】県内小中学校、県埋蔵文化財調査事業団勤務を経て、2020年4月から現職。東京農業大非常勤講師。国学院大大学院博士課程後期修了。博士(歴史学)。

2020/11/26掲載

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