受けよう乳がん検診 意識も精度も高めたい
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 国の「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」では乳がん検診は、40歳以上の女性に対して、問診とマンモグラフィによる検診を行うとされています。死亡率減少に寄与するエビデンスを持った方法としてマンモグラフィが選択されています。

 30歳代・40歳代の方や乳房の中の乳腺の量が多い高濃度乳房の方への超音波検診、遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)などハイリスク群に対するMRIを用いた検診など乳がん検診の個別化も検討されています。ですが、まずはたくさんの方が“検診を受ける”意識が必要ではないでしょうか。

 昨年7月、厚生労働省から都道府県―指定都市―特別区―中核市―その他政令市別にみたがん検診の実施状況の表が出されました。表によると、国が推奨する全5種類のがん検診(胃・肺・大腸・子宮・乳がん)の2018年度の受診率で前橋市が1位でした。前橋市の1位は3年連続だそうです。

 40~69歳の乳がん検診でみると、全国の17.2%、群馬県の20.8%に対して、前橋市は27.7%に上ります。同じ表に掲載されている高崎市は16.0%でした。前橋市は12年度からがん検診受診料を無料化しています。加えて、検診を受けやすいように、かかりつけ医や近くの診療所などで受診できるようにしたことも一因だそうです。

 厚労省の出した表には県内の他の市町村のデータがないのですが、17年度のデータでは私の住む桐生市は16.5%と、残念ながら県内の下から3番目という状況でした。

 診療放射線技師として病院に勤務する傍ら、市民講座などで乳がんやマンモグラフィについてお話ししてきた私としては、地元の状況が何ともさみしく感じられ、まずはもっと知っていただく場をつくりたいと思いました。

 さらに検診の手段としてのマンモグラフィの精度も重要です。検診は症状のない方の中からがんを見つけなければなりません。乳腺のわずかな異常が的確に拾い上げられるような画像が必要です。一人一人体格が違うように乳房も大きさ、形、乳腺の量みんな違います。撮影技師の技術が非常に要求されます。

 長年マンモグラフィの講習にも携わってきました。そのなかで経験したことや技術をなんとかいま現場で撮影する技師に伝えたい、撮影する技師にいい写真を撮ってほしいという思いもありました。

 その二つの思いから、昨年7月、桐生駅近くに「マンモグラフィトレーニングスクール」をオープンさせていただきました。準備に半年以上かかりましたが、定年後フリーの立場だからこそできることと思っています。出張講習もしていますので、一般の方も、診療放射線技師の方もぜひお声をかけてください。



マンモグラフィトレーニングスクール代表、診療放射線技師 新井敏子 桐生市相生町

 【略歴】定年まで病院勤務。乳がんに関する講習会の講師歴約20年。2020年7月、乳がんや検診の啓発、放射線技師の技能向上のため、桐生市内に同スクールを開校。

2021/01/07掲載

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