曲がったキュウリ 同じ味で価格差に疑問
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 ビニールハウスにてキュウリを年2回ほど作付けしています。それぞれ約5カ月の間栽培し、その間4カ月間を収穫しています。毎年市場へ出荷を始めると感じることが二つあります。

 一つ目は真っすぐなキュウリと曲がったキュウリの価格に差が生じることです。私が出荷しているJAでは、形や大きさなどにより9規格に選別されています。一番形が良く真っすぐな物と、Cの字に曲がった物とでは市場で倍以上の価格差で取引されます。曲がっているキュウリより真っすぐなキュウリの方がおいしそうに見えますが、真っすぐでも曲がっていても味は同じです。

 二つ目は需要と供給のバランスについてです。全国的に曇天が1週間以上続くと、キュウリの収穫量は半分以下になり、市場に集まる量が極端に少なくなって価格が上がり、消費者が購入しにくくなります。また、天気が安定して収穫量が増え、市場にたくさん集まると価格は下がります。価格が下がると生産者側は作っても経費の方が上回り、やむなく廃棄をする場合もあります。どちらももったいないことです。

 現在、流通しているさまざまな商品の中には、正規品に何らかの条件が満たないため、「アウトレット商品」として安く販売されている物もありますが、食べ物であるキュウリをはじめ野菜では、形は違えども味は変わらないものが多いと思います。食べるものが形や需要と供給のバランスで極端に価格差が生じることに疑問を持ちます。

 しかし、日本の規格に感心することもあります。最近では海外に向け、果物をはじめ野菜などの生鮮野菜が次々と輸出されています。そして、そのほとんどの物が品質・規格・味などで高評価を得ています。何カ国かのスーパーでその国の生鮮野菜を食べてみましたが、規格の緩さと味に驚きました。そしてあらためて日本の果物や野菜の品質・規格・味の高さに自信を持ちました。

 知人や友人にキュウリを渡す時は、規格外となり出荷できない曲がった物や大きくなりすぎた物、または小さい内に摘果した物を渡します。なぜならそれらはスーパーでは販売されることがないからです。もらった人に「形が面白い」「大きい物は味が濃く甘い」「小さい物は子どもが丸ごと食べられて良い」などと喜ばれることもあります。

 日々栽培に力を入れていますが、どうしても曲がった物や規格外の大きい物もできてしまいます。それらも一生懸命育てた結果です。収穫を終了する日の最後の一本までおいしいキュウリを作り、さらに真っすぐなキュウリを一本でも多く収穫できるように、これからも栽培に励んでいきたいと思います。



野菜栽培農家 町田睦美 玉村町南玉

 【略歴】衣料品メーカーの高崎、前橋、軽井沢の店舗に計8年勤務後、就農。キュウリを中心に栽培。「玉村漬物部」や「たまむら食の探検隊」を立ち上げる。帝京大卒。

2018/01/12掲載

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