日本に住む外国人 労働力から競争力へ
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 私の住む伊勢崎市は人口21万人のうち外国人人口が1万2千人を超えている。そんな伊勢崎市の土地柄もあってか、弊社のお客さまは南米がルーツの外国籍の方が大多数を占めている。

 弊社ではオートローンを取り扱っているため、職業をお聞きする機会が多い。現在、外国籍のお客さまの働き方は多様化しており、自分で会社を経営する人もいれば、日本人と同様に正社員として雇用されている方も多くいる。

 しかし、厚生労働省の2017年のデータによれば、外国人労働者の約40%が派遣・請負社員として勤務している。群馬県の全労働者に占める派遣社員の比率は約4%(15年国勢調査による)だから、外国人労働者が派遣労働者として働く割合は実に10倍にもなるのである。

 では外国人労働者が正社員として働くことは難しいことなのだろうか。現在本県には6万人を超える外国人が住んでいる。安中市や藤岡市の人口に匹敵する人数である。この6万人の中には日本に長く住み、日本語を流暢(りゅうちょう)に話す人も数多くいる。

 外国人の傾向として買い物に行くときやサービスを受けるときなどは、同じ国出身の従業員がいるお店や、従業員の中に外国語を扱える方がいるお店を選ぶ方が多い。言葉が通じないということはそれだけ不安だからだ。

 特にこの傾向は高額な買い物をする場合に顕著に表れている。私たちが扱う車や保険という商品もそれに該当する。不動産事業などで多くの外国人から支持されている会社もある。人は誰でも高価な買い物では失敗したくないと思っているし、失敗しないために自分が理解できる言語で納得いくまで説明を聞きたいと思っている。

 日本に住んでいる外国人は複数の言語を扱える方が非常に多い。定住者や永住者の在留資格を持つ方も多く、日本の文化に精通し日本語と母国語、場合によっては3カ国語以上の言語を話すことができるスタッフがいれば、その分ビジネスチャンスも増えるのではないだろうか。

 外国人にお客さまになっていただくことでさらなる利点もある。外国人独自のネットワークは県をまたいでつながっている。母国語で買い物ができるという口コミを聞いて、県外から来店される方も少なくない。外国人のネットワークには現代の日本ではめっきり少なくなってしまった「横のつながり」というものが色濃く残っているのである。

 県が多文化共生・協創「群馬モデル」を打ち出し、今後も群馬に外国人が増え続けていくことが予想されていく中、「労働力」として見られていた外国人労働者が、他社との差別化を図り、新しいマーケットを開拓していくための「競争力」となるのは、そう遠くない未来なのかもしれない。



アイザワコーポレーション社長 相沢正雄 伊勢崎市田中島町

 【略歴】ペルー生まれの日系3世。1998年に来日し伊勢崎の市立小中学校に通う。自動車販売店と保険代理店を営む傍ら、外国人の生活支援に取り組む。常磐高卒。

2021/01/18掲載

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