ヘルメット着用の勧め 想像力働かせ危険回避
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 県の条例が改正され、4月から自転車に乗る際はヘルメットの着用が努力義務となりました。しかし、「早速ヘルメットを買いました!」という方はまだ少ないのではないでしょうか。ヘアスタイルはペタっとしてしまうし、なんだか服装にも合わない気がする。ヘルメットをかぶって鏡の前に立つと見慣れない自分に意気消沈。「世の中が変わっても僕だけは絶対にかぶらないぞ!」。そう思っている人も少なくないでしょう。

 嫌われるヘルメットですが、シーンによっては抵抗なく身に着けられています。自転車のロードレースもそうですがF1やアルペンスキーなど、ヘルメットがないとどこか不格好なスポーツは多いと思います。ヘルメットは危険度の高い競技には必ずと言っていいほど使用されています。私生活の面でも右肩上がりに増え続ける自転車事故を受け、県はヘルメットの着用を努力義務としたのです。実は本県「自転車事故 日本一」という不名誉な栄冠を得ています。これは「自転車に乗るのが下手な県 日本一」と同じことのように思えて、サイクルスポーツを愛する僕としては見過ごせない大問題です。

 なぜ事故は起こるのか? その一つは「想像力の欠如」。これが大きく関係します。リスクマネジメントが上手な人は危機を察知する能力が働き、さまざまなリスクを考慮して状況に応じた判断ができます。その結果、事故のリスクは減ります。自転車ロードレースではよくクラッシュが起きますが、集団の中でも事故が起きやすい場所があります。選手は危機を察知しポジションを移すことで回避していますが、0コンマを競う中では多少の運も影響します。

 しかし、一般公道では想像力を働かせると事故に遭う確率は低くなります。さらに多角的な視点も持ち合わせていれば、相手がどう感じ、どう動くか反対の立場で考えられます。そこには譲り合いの精神が生まれます。

 メリットの多い想像力ですが、それは準備の段階から必要です。ヘルメットをかぶることもその一つなのです。自転車用ヘルメットは衝撃を受けて強化発泡スチロールがつぶれることで頭部へのダメージを減らしています。非常に軽量で、真夏でも涼しく快適です。ヘルメットというと武骨なイメージがありますが、実際は乗る状況に合わせてスポーティーなものから、スーツや制服にも似合う丸みのあるカジュアルなものまでさまざまです。自分の身は自分で守るという賢明な方はヘルメットの種類にもこだわってみてはいかがでしょうか。

 スポーツは格好からとよく言いますが、僕は大賛成です。効率的なデザインがけがや事故を防ぐという建前もありますが、単純に格好いいですから。僕は照れ隠しにサングラスと合わせるなどして楽しんでいます。



群馬グリフィンレーシングチーム監督 渡辺将大 沼田市桜町

 【略歴】前橋育英高で自転車ロードのナショナルチーム入り。中央大で学生ロードランキング1位。大学を中退して豪州留学。帰国後、サイクルショップタキザワ入社。

2021/06/11掲載

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