日本の医療を変える? 期待のオンライン診療
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 2018年1月24日、中央社会保険医療協議会(中医協)にて、オンライン診療に関わる診療報酬の新設が決まった。(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000191963.pdf 393ページから)

 オンライン診療をご存じない方も多いだろう。オンライン診療とは何か? 元厚生労働省医系技官で現在デジタルハリウッド大大学院客員教授を務める加藤浩晃氏に聞いた。

 「オンライン診療は情報通信機器を用いた診療と定義される。診療は対面で行う必要があるというイメージを持っている人は多いかもしれないが、厚生労働省は1997年にオンラインによる診療を限定的であるが認めるという通知を発出した。その後、オンライン診療に関して大きく動いたのが2015年8月の事務連絡。オンライン診療の適応疾患、適応条件を広く解釈してよいと周知された」

 それから2年半、診療報酬が付かないから日本では普及しないと言われていたオンライン診療に18年4月から診療報酬が付くことが決まった。

 「今までオンライン診療は制度として明確になっていないところがあった。どのような疾患がOKなのか、何がNGなのかなど。過度な集客目的や、精神薬や美容目的など、やや不適切ではないかと考えられるものもあった。今回、オンライン診療の目的が生活習慣病の重症化予防等、慢性疾患の長期管理のためのものだと、明確化されたことが大きい」と加藤氏は指摘する。

 私、五十嵐も早くからオンライン診療を取り入れた臨床医の一人だ。循環器疾患の中には、治療継続が重要な疾患も多い。心筋梗塞後、脳卒中後の再発予防、仕事が忙しくてと治療を中断して、再発、救急車で運ばれて来る患者さんを何人も見てきた。

 「仕事が忙しい」は本当に安易な理由なのだろうか? 今、現役世代の社会人は、平日の日中仕事があることはむしろ普通のことではないか、社会の生活スタイルが変化してきているのであれば、われわれ医療もそれに合わせて変化することが大事ではないか、診療は対面でなくてはならないという縛りのせいで、病気になる人が増えるのであればそれは本末転倒ではないか。治療継続のツールとして、オンライン診療は有効な手段になりうる。

 お茶の水循環器内科でオンライン診療を行う患者数は100人を超える。まだ小さいが、新しい医療の形は確実に社会に変化をもたらすであろう。オンライン診療はもしかしたら日本の医療を変えるかもしれない。



お茶の水内科院長 五十嵐健祐 東京都千代田区

 【略歴】老年病研究所附属病院などを経て、2014年に東京都内で開業。デジタルハリウッド大特任准教授。高崎市生まれ。高崎高―慶大医学部卒。

2018/01/30掲載

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