まゆだまネット 支援の輪 拡大へ啓発
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 「まゆだまネット」をご存じでしょうか。「群馬県視覚障害者等支援ネットワーク」という任意団体として2017年度に立ち上がりました。その後発展的展開があり、現在は見え方に不安がある人の相談窓口となる「群馬県版スマートサイト」として、県眼科医会が発行するリーフレットでさまざまな情報を紹介し、関係する団体のQRコードを載せています。リーフレットは県医師会のホームページで見ることができます。

 まゆだまネットは、見えにくさや見えないことで困っている方とそのご家族から「ワンストップの相談窓口があるといい」という要望を受けて始まり、私も立ち上げに協力させていただきました。見えにくいことによる悩みは年代や仕事、生活スタイルなどによって多様です。他の子どもたちとうまく遊べない、授業についていけない、仕事が難しくなってきた、外を歩くのが大変になってきた、家事や育児で困っている、パソコンの操作が難しくなった、福祉制度を知りたい、本を読みたい、まぶしくてつらい―。困り事や心配事の内容により相談先もさまざまですが、一元化されれば便利になるとの声に応えようとしたのです。

 スマートサイトには県内の眼科医、盲学校、各市町村の福祉課、点字図書館、障害者情報化支援センター、視覚障害者福祉協会、養護盲老人ホーム明光園、障害者就業・生活支援センターが加わっています。見えない・見えにくい人やそのご家族・関係者のため、医療、教育、福祉、労働の分野が連携した相談・支援ネットワークとなりました。

 このような取り組みは他県で先行事例がありますが、本県の素晴らしさの一つは実際に人が集う「まゆだまネットフェスタ」を毎年開催している点です。ネットワーク内の人と人との結び付きを強め、存在を広く県民に知ってもらう機会をつくっています。

 フェスタは県社会福祉総合センターを会場に、県立点字図書館の方々が中心となって開催しています。各団体の紹介と相談、スルーネットピンポン体験、伴走・伴歩体験、鍼灸(しんきゅう)マッサージ師会による施術の無料体験、福祉用具・機器製品の展示や体験など、とても一日では見て回れない内容です。私も「きいてみよう、さわってみよう」、「色をさがして、あそんでみよう」という体験を企画し、2回参加させていただきました。新型コロナウイルス感染症の影響で昨年は中止、今年は開催を検討しましたが残念ながら中止が決まったそうです。

 ネットワークを構築することも大変ですが、その後の強化と浸透のために努力し続けるのも難しいことです。皆さんも機会がありましたらぜひまゆだまネットフェスタに足を運んでください。多くの方に活動を理解していただき、支援してもらえるよう願っています。



版画家、NPO法人麦わら屋アートサポーター 多胡宏 前橋市江木町

 【略歴】元県立盲学校長で福祉施設などのアート活動を支援。筑波大芸術専門学群卒。定年後、群馬大大学院で視覚障害児の美術教育を研究し、2020年3月修了。

2021/07/31掲載

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