トレイルランニング 赤城山からマナー発信
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 前橋市まちづくり公社の一員になり2年がたちます。この間、赤城山でトレイルランニングのレースイベントを開催することを目標に取り組んできましたが、まだ実現できずにいます。

 山は大きな公園で、そこには当然、ルールやマナーがあります。そして、目印のない境界線で仕切られ、複数の持ち主から成り立っているので、山道を外れて勝手に遊んではいけません。

 おそらく、最初に山で遊び始めたのは登山や自然景観を楽しむ人たちでしょう。私のように山を走って楽しむ人が増えたのは、せいぜいこの十数年です。ですから、登山者は山で走る人にすれ違うと驚くことがありますし、時には危険を感じてしまいます。悩ましい問題は、われわれランナーには一切悪気がないということなのです。

 最近ではランナーだけでなく、さまざまなスポーツを楽しむ人たちが山に集まるようになりました。しかし、山には分かりやすく明文化されたルールがないため、皆が協調性をなくしてしまい、居心地の悪い思いをしてお互いを否定し合ってしまいがちです。そこで私は、山で遊ぶためのルール作りが必要だと痛感しました。その整備に取り組み、トレイルランナーが山の来訪者として誰からも歓迎されるようになることが、トレイルランニングレースを実現するための最短距離だと気付いたのです。

 私は「赤城山マナーズ」を設立し、山を楽しむランナーの五箇条を明文化しました。「歩いてすれ違います。譲り合います。山を大切にします。トレイルから外れません。ごみは必ず持ち帰ります」。とてもシンプルですが、この「当たり前」が実行されていないために、トレイルランナーが厄介者と思われてしまっていることが少なくありません。セミナーなどのイベントも通じて、こうした取り組みを広めていきたいと考えています。

 その第1弾が10月16、17日にまちづくり公社が主催する「赤城山トレイルランニングセミナー」です。日本が誇る桐生市出身のプロトレイルランナー、鏑木毅さんをコーチに招き、ランナーが山を楽しんで走るためのマナーや自然保護の知識も身に付けてもらえる内容となっています。

 この赤城山マナーズでの取り組みを通じてランナーの意識を高め、山の整備にも関わっていく予定です。そうした活動を積み重ねることで、これまで長きにわたって山を慈しみ、育み、守ってきてくださった先輩たちに受け入れていただくことを目指します。そして、われらの里山・赤城山をトレイルランナーも楽しめるメッカへと育てていきたいと考えています。



前橋市まちづくり公社イベントコーディネーター 酒井サム 前橋市富士見町時沢

 【略歴】トライアスロンパーソナルコーチ、アイアンマンアジア・コミュニティーマネジャー・ジャパン。アパレル企業などを経て2019年から現職。千葉県出身。

2021/09/17掲載

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