チャレンジショップ 起業のバトン渡したい
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 店を始めて10月で2年になります。下仁田町の起業支援施設チャレンジショップの使用期間は3年なので、この場所での営業は残り1年です。オープン半年でコロナ禍となり、現在まで逆風が吹き荒れています。この先の見通しに不安もありますが、充実した日々を過ごしています。

 それを支えてくれているのが店のスタッフです。特に若い世代は皆、地元出身の子たちです。コーヒーが好きでマシンを自作し自分で焙煎(ばいせん)を始めた高校生。お菓子作りが得意でスイーツのレシピを考案してくれる大学生。カレーとコーヒーが好きで食べ歩きの経験が豊富な男の子。将来自分でカフェを開く夢を持っている女の子など、魅力的な子たちが働いてくれています。

 皆とても優秀で、正直「下仁田にこんな若者がいたのか!」とうれしい驚きでした。自分もそうでしたが、“田舎育ち”であることをネガティブに捉えがちです。しかし彼らを見ていると、自分の好きなことや、やりたいことを明確に持っていることの強みを感じます。だからこそ、ただ働くだけではなく、彼らにとって成長につながるような機会を提供できる場でありたいと考えています。

 そんな中、出会ったのが「Hige Coffee」の2人です。本県出身の20代の男女で、会員制交流サイト(SNS)のインスタグラムを活用して毎日情報を発信しながら自家焙煎の豆を販売する彼らは、私同様Uターンで起業を目指していました。そうした共通点もあり、一緒にイベントを開くなどスタッフも含めて交流を深めていきました。

 そしてこの秋、2人は「HIRAKU」という名前でフードトラックを使ったコーヒースタンドを開業することになりました。身近な存在の2人が夢の第一歩を踏み出すことは、その過程を知る若いスタッフたちにとって、とても大きな刺激になったことでしょう。

 このようなつながりをこれからも大切にしたいですし、刺激を受けてそれぞれが成長できれば、おのずとより魅力ある店にできるはずです。そして群馬にはまだまだポテンシャルのある若者がいると思うのです。これからどんな出会いが待っているのでしょうか? そして、若いスタッフたちはどんな成長を遂げてくれるのか? 楽しみで仕方ありません。

 欲を言えば、この中から「チャレンジショップを活用して起業してみたい!」と思ってくれる人が出てくれば最高です。そのためにも残された1年、しっかりと営業し、次の方にバトンを渡したいと思っています。

 この連載も最終回となりました。これまでの記事を読んで興味を持っていただけましたら、当店にぜひお越しください。すてきな若者と共にお待ちしています。



カレーと珈琲シモンフッド代表 阿久沢慎吾 下仁田町馬山

 【略歴】デザイン会社を経て勤めた出版社でオートバイ、エンタメなどの雑誌編集に携わり、2019年、古里の下仁田町にUターンして起業。富岡高―青山学院大卒。

2021/09/18掲載

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