五輪と世界選手権 「4年に1度」の難しさ
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 9日、平昌冬季オリンピックがいよいよ開幕しました。皆さんも本当に楽しみだと思います。

 よく聞く世界選手権とオリンピックの違いは、簡単に言うと“タイミング”です。競技によって毎年だったり隔年だったりですが、世界選手権はチャンスが多く、オリンピックは絶対に4年に1度という大チャンスです。そして、そのプレッシャーは“魔物”ともいわれるほどです。その4年サイクルに合うか合わないかがオリンピアンとなるか、世界大会出場になるかの違いです。現代のすさまじい発展は目が回る状況です。会社で例えると、1年違えば1億円のプラス・マイナスもありえることを考えると、オリンピックサイクルの4年は本当に長く、体調とメンタル調整が難しいスパンです。

 ではオリンピックとはどんな感じなのか(20年前の記憶)というと、まず初めにあるのが入村という国内の大会ではない隔離施設への立ち入りです。

 選手村という全競技が集結し、コントロールされる場所に入村することになります。立ち入る際には厳重なセキュリティーチェックを毎回、抜けなければなりません。ID
カードの照合や手荷物検査、身体検査等を経て晴れて入村です。入村すればいろいろと優遇されることになります。

 24時間いつでも食べることができる食堂から無料のゲームセンター。コンディショニングを整えることができるマッサージルーム等のフリーパス。宗教の違いから食堂も別々という気の使いよう。自分が出たバルセロナ大会は地中海沿いに作られていたので選手関係者のみのプライベートビーチも使い放題でした。全競技が一緒なので多くの有名選手に会うことができます(バルセロナでは松岡修造・岩崎恭子・有森裕子・古賀稔彦の各選手など)。

 一方、世界選手権では特に選手村等はなく、一般的なホテルから会場の往復でセキュリティー等は厳しくなく、全日本レベルの試合環境と大きな差はありません。

 しかし、競技者からすると世界チャンピオンとオリンピック金メダリストだと世界チャンピオンの方が競技力が上のように感じている選手も多いです。その理由としては前年の世界選手権の上位12チームの出場(体操競技の場合)のオリンピックに対し、世界選手権に登録している国は個人や種目別を含めて、百数十カ国になります。ゆえに競技者は世界チャンピオンに憧れるのです。

 今回の冬季オリンピックでは多くの種目で多数の世界選手権チャンピオンも出場します。母国のプレッシャーを力に変えて実力を発揮できるのでしょうか? それともオリンピックの魔物に押しつぶされて脱落してしまうのでしょうか? どちらにせよオリンピックは楽しいものです。



東京福祉大特任講師、アイハラ体操クラブ指導員 相原豊 高崎市下滝町
 【略歴】1992年バルセロナ五輪体操団体銅メダル。アテネ五輪団体金の中野大輔選手を指導。父は60年ローマ五輪金の故信行さん。日体大大学院体育研究科卒。

2018/02/12掲載

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